教員採用試験から学ぶ「情報モラルと著作権」【令和7年度 神戸市 中学技術科 問題】

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令和7年実施の教員採用試験における「知的財産権・著作権」に関する問題について、自治体ごと、校種ごと、教科ごとにご紹介しています。

確認事項です。この情報は配信現在の情報です。必ず最新の情報をご確認ください。また、運用の際は必ず原文をお読みください。

 

知的財産権とは?

「知的財産権」の中に「著作権」があり、作った瞬間にその人に権利が発生します。これが著作権です。著作権法の原則は「作品は作った人のもの。使う時は許可を取る」です。ただし、許諾不要で例外の場合もあり、その中に「学校」というのが含まれています。

 

今回ご紹介する教員採用試験の問題は、ウェブサイト上で公開されているものです。回答については、公表されているものとされていないものがあります。

この記事の目的は、教員採用試験の内容を現職の先生に勉強して欲しいというわけではなく、若手の教員たちは知的財産権や著作権を勉強して教員になっているということを、現職の先生方に知って欲しいからです。

学校の中でイラストとか音楽とか、著作権のことについてちょっと疑問に思った時には、是非若手の先生に聞いてみてください。

 

 

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【令和7年度採用】神戸市 中学技術科 教員採用試験問題より

では早速問題を見てみましょう。今回は令和7年度採用 神戸市 中学技術に出題された問題です。

 

出題された問題:情報モラルに関する適切な説明

【5】情報の技術に関する次の問に答えよ。(7)次の文は情報モラルについての説明である。説明として適切なものを①から⑤から選び番号で答えよ。

① Webページ上に掲載された情報は正確であるので情報の信憑性を確かめる必要はない。 ② スマートフォンなどで撮影した写真はGPS機能をオフにした状態で撮影していればインターネット上で公開しても場所が特定されることはない。
③ ファイアウォールやフィルタリングシステムを導入しても入手できる情報は少なくならない。
④ ゲームや不要品の売買サービス、銀行振込などではユーザーIDとパスワードなどで個人を認証しているので他人に盗まれないように情報セキュリティを考えた利用が必要である。
⑤ インターネット上の写真、イラスト、文章、音楽、映像などの著作物は公開された状態にあるため、利用にあたって著作権者に配慮する必要はない。

考えてみてください。

 

 

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正解と解説

正解は④の情報セキュリティについてです。

この問題について解説をします。

この問題で著作権に関係するのは⑤です。 インターネット上の著作物は公開された状態ではありますが、権利がどこにあるかというのはそれぞれ異なります。

特に「著作権フリー」とか「無料」と書いてあるイラストについても、著作権は著作者にあるままということが多いです。ですので、インターネット上のものを使う際、もちろん学校の中であったとしても、必ずその著作権の状態がどうであるかというのを確認してから使うようになさってください。

 

学校だよりなどで「著作権フリー」とされるイラストを使うことありませんか?「【要注意】学校だよりで著作権侵害!? 知らずに違反しないための3つのポイント」の動画で、注意したい著作権について解説しています。
「学校だより」作成時の著作権ルール:知らずに侵害していませんか?
学校と家庭をつなぐ「●●だより」の作成に潜む著作権の落とし穴とは?イラスト・写真・記事の使用時に注意すべきルールや、引用の正しい方法、安心して使える素材の選び方までを丁寧に解説します。

 

 

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まとめ

このような著作権に関する情報、特に学校と関わる情報を私のウェブサイト・YouTubeチャンネルでは紹介をしています。

著作権法の第35条(学校)の話、それからオンライン授業で必ず必要な情報であるSARTRAS(サートラス)の話、こういった情報も発信しています。是非合わせてご覧ください。

 

著作権の基本と授業目的公衆送信補償金制度については「SARTRASって何?教員が知るべき著作権の例外と補償金制度」の動画で解説しています。
SARTRASとは?オンライン授業と著作権の例外を支える制度
「SARTRAS(サートラス)」は、オンライン授業における著作物の利用を支える補償金制度です。学校教育における著作権の原則と例外を、教員向けにわかりやすく解説します。

 

この記事は、動画「【学校著作権】「著作権フリー」のイラスト、配慮不要?| 教採問題(令和7 神戸 中学技術)解説」をもとに作成しました。

学校における「著作権」の正しい理解と実践のために
著作権に関する研修・講習・授業を通じて、学校現場での対応についてお伝えしています。
これまでの研修例には、先生向け研修生徒向け授業司書向け研修などがあり、幅広いニーズに対応しています。

国公立中学校での実践経験をもとに、現場に即した内容でご提案いたします。
学校ごとの課題やご要望に応じて柔軟に対応いたしますので、ぜひご相談ください。

研修のご依頼・ご相談は
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その他のご相談などは
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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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