2025年1月、岐阜県教育委員会主催の総合教育センター講座で講師を務め、「新しい学びの時代における著作権教育講座」をテーマに講演を行いました。
岐阜県教育委員会主催の研修でお話するのは3年連続となります。
講義はオンライン形式で実施し、120分間にわたって双方向コミュニケーションツール「AhaSlides(アハスライド)」を活用しながら、参加者との対話を重視した進行を行いました。
受講者と研修スタイル
今回の研修には、岐阜県内の小学校・中学校・高校・特別支援学校・教育委員会の教職員など約50名が参加しました。
研修は、AhaSlidesを活用した参加型形式を採用。受講者が積極的に意見を出せるよう、アンケート機能やリアルタイム投票を取り入れ、双方向のコミュニケーションを促進しました。
研修の冒頭では、アイスブレイクとして「アハスライドのアンケート機能」や「言葉の入力・スケール機能」を体験してもらい、リラックスした雰囲気の中で学びを深めました。
研修内容
本研修では、学校教育現場で直面する著作権の課題を具体的に掘り下げ、以下の重要なトピックを詳しく取り上げました。
・著作権の基礎:著作物とは何か、どのように保護されるのかを解説。
・学校における著作権の取り扱い:授業・教材作成時の著作権の注意点。
・オンライン授業、行事配信に関する著作権:配信時の適切な利用方法と注意点。
・授業目的公衆送信補償金制度:制度の内容と最新動向。
・著作権授業の実践例:他校での実施事例を紹介。
・参加者の質問への回答:事前に寄せられた疑問を解消。
特に、教育現場で頻繁に使用されるイラスト素材「いらすとや」の利用ガイドラインを取り上げ、誤解されがちな著作権のルールを実例を交えて解説しました。たとえば、以下のような問いかけをしながら理解を深めました。
・「いらすとや」のイラストはすべて無料だと思っていませんか?
・商用利用の際、1点あたりの料金はいくらか知っていますか?
このように、具体的なケースを交えて説明することで、受講者が自身の業務に直結する形で著作権を理解できるよう工夫しました。
研修のポイント:教育現場における著作権の重要性
講演では、近年の報道などをもとに、教員による著作権侵害の事例とその影響についても解説しました。
著作権の適切な取り扱いが求められる理由を、実際のケーススタディを交えて説明し、受講者が現場で実践できるような形で学びを提供しました。
「今日から、自分から、できることから」
このメッセージを軸に、著作権の適切な扱いが、児童・生徒を守ることにつながるという意識を持ってもらうことを目指しました。例えば、授業で使用する教材の出典を明記することや、学校内の掲示物の著作権を意識するなど、すぐに実践できる行動を提案しました。
研修企画者の声
今回の研修の登壇依頼をいただいた理由として、企画担当者の方から以下のようなコメントをいただきました。
「非常に分かりやすく、参加しながら楽しく学ぶことができる」
研修を受講した感想
事前に質問→参加しながら講義を聴く→振り返り という流れで、自分自身とも対話しながら研修を進めることができた。ボーダーラインを図で示していただくなど、資料も大変分かりやすい。どのような場合に許諾が必要なのか、間違えやすい場面を取り上げて説明していただけた。
質疑応答で、あいまいなところに対して原口先生から明確に答えていただいたことですっきりと研修を終えることができた。原口先生の語り口が柔らかく、表情が豊かなので、穏やかな雰囲気で研修を受講することができた。
研修参加者の感想
研修後、受講者からは以下のような感想が寄せられました。
「著作権の基本的な考え方が分かると、これは?あれは?と意識するポイントが広がります。そのきっかけになりました。」
「知らなかったことがたくさんあり勉強になりました。教員採用試験にも出るということは現職よりも大学生は学んでいるのだと少し危機感です。今からやれることをやりたいと思います。」
「アハスライドを使った研修が受け身ではなく参加している実感がとてもあって良かった。」
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