【先生からの質問に回答】YouTube動画を授業で使う際の著作権対策とトラブル回避法

著作権よくある質問
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2023年10月10日に回答部分の内容を追記しています。

音楽の先生からいただいた質問です。

YouTubeの動画には広告がついています。
動画の周囲に表示されるものや動画の途中に表示されるもの、また動画の最後に出てくるものもあります。こういった広告を視聴者が見ることでYouTubeは利益を得ていて、作った人(動画をアップした人)にその利益の一部は還元されます。

しかし、授業でYouTubeの音楽を聴かせる場合、音楽の途中に広告が入ってしまうのは少し不便です。それを避けるためにYouTube動画をダウンロードして授業で使用して良いのでしょうか。

Q
YouTube広告が表示されるのを避けるため、まずYouTube動画をダウンロードして、そのダウンロードした動画を授業で利用して良いですか?
A

YouTube Premium という有料サービスを利用している場合を除き、YouTube動画をダウンロードして使用することはYouTubeの利用規約違反を問われる可能性があります。

 

教育を担任する者(教員)や授業を受ける者(生徒)が授業での利用を目的に「複製」することは、著作権者の利益を不当に害することがない限りにおいて著作権法35条で認められています。
よって、YouTube動画・テレビ番組等を録画してそれを授業で視聴することは、権利者の許諾なく行うことができます。

 

ただし注意が2点あります。

YouTubeは、有料視聴プランであるYouTube Premiumを契約していない場合は利用規約上ダウンロードできない仕様になっています。(無料プランでダウンロードする行為は利用規約違反を問われる可能性があります。)

違法にアップロードされた動画を、その事実を知りながらダウンロードすることは著作権法違反となります。(著作権法第119条3項)

 

なお、YouTube動画をダウンロードしなくとも広告を回避するための方法としては、

・音楽を流す前に広告を再生した後に一時停止し、その後に動画を生徒に見せるという方法
・広告が流れた際に音や画面をミュートにしてしまうという方法

などが考えられます。参考になさってください。

また、音楽の途中に流れてしまうのは避けようがないので、途中に広告が入らないような動画を見つけることも良いと思います。

 

Googleの違法動画への対策について「YouTubeの著作権保護への取り組み【学校の授業でYouTubeを使えます。ただし…】」で解説しています。

 

学校設置者がSARTRASへ補償金を支払っている場合はYouTube以外にも授業で活用できるようになります。「学校教職員必見:120円の補償金で広がる授業の可能性」をご覧ください
授業目的公衆送信補償金で変わる授業!120円で広がる教育の可能性
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この記事の内容は動画と同じです。
動画「【先生からの質問に回答】YouTube動画をダウンロードして授業で使って良いか?」も是非ご覧ください。

学校での著作権については研修・講習・授業などでお話をしています。(事例→先生向け研修生徒向け授業司書向け研修)国公立中学校での実践経験の中で培った現場目線を大切にしながら、各学校の実情やお悩みに沿って研修内容を考えます。ぜひお問い合わせください。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭。東京都公立中・東京学芸大学附属世田谷中に勤務。元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー。

2020年より学校勤務経験を活かして机上の法律と学校現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」としての活動を開始。教員・教育実習生・子どもに著作権への理解を深めてもらうための講演活動・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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