知的財産権と著作権の違いを解説【令和7年度採用東京都高校工業商業 教員採用試験問題】

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今日は、教員採用試験で出題される知的財産権や著作権についてお話しします。

 

この記事は動画配信日時点の情報に基づいて作成しています。
実際に著作物を利用する際には、必ず最新の著作権法原文や運用指針などをご確認ください。

 

私が教員採用試験における著作権問題について取り上げる理由は、単に現職の教員の皆さんに勉強していただきたいからではありません。特に若手の教員は、知的財産権や著作権についてしっかりと学んで教員になっています。このことを、現職の教員の方々にも知っていただきたいのです。

 

 

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知的財産権と学校での著作権運用の基本

知的財産権とは?

まず、知的財産権についておさらいします。知的財産権には「産業財産権」と「著作権」が含まれます。著作権は、作品が生み出された瞬間にその創作者に自動的に発生します。
著作権法には「作品は作った人のものである」「作品を使用・複製・改変する場合には、作成者の許諾が必要である」と定められています。

 

ただし、著作権法の中には許諾を取らずに利用できる例外規定もあります。その一つが学校での使用です。

学校では教育活動の一環として、一定の条件下で著作物を許諾なしに使用することが認められています。ただし、これにも細かい条件があり、適切に運用するためには最新の法規やガイドラインを確認することが重要です。

 

 

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令和7年度 東京都高等学校工業・商業における意匠権の出題問題解説

今日のテーマは、令和7年度採用の東京都専門教養高等学校工業と商業における知的財産権の出題についてです。工業の問題1の「問2」と商業の問題1の「問6」に、同じ内容の意匠権に関する問題が出題されました。

過去の試験問題|採用情報|東京都公立学校教員採用ポータルサイト
東京都公立学校教員採用に関するポータルサイトです。東京都の教育が目指すものや働き方改革の現状、実際に働く教員の声、東京都ならではの充実した研修や制度、福利厚生など、東京都の教員のリアルが分かる情報をお届けします。またイベントや採用試験の最新...

 

問題:
知的財産権のうち、意匠権に関する記述として適切なものは、次の1~4のうちどれか。1.発明を独占排他的に実施することができる権利のことである。
2.登録された意匠およびこれに類似する意匠の実施を独占排他的にすることができる権利のことである。
3.著作物を直接支配して、独占排他的に利用できる権利のことである。
4.自分の商品・役務と他人のそれを区別するために、特定のマークを独占的に使用し、第三者の無断使用を排除できる権利のことである。

 

正解: 2

この問題について解説します。
意匠権は、デザインの保護を目的とした産業財産権の一つです。選択肢1は「発明」に関連しており、これは特許権を示しています。選択肢3の「著作物」は、著作権に該当します。また、選択肢4の「マーク」は商標権に関連しています。

意匠権とは、製品のデザインに関する独占的な権利を保護するものであり、著作権とは異なります。著作権は、創作した瞬間に自動的に発生しますが、産業財産権には登録や申請が必要です。この問題からもわかるように、工業や商業の出題では、知的財産権全般が取り上げられることがあるため、幅広い理解が求められます。

 

 

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産業財産権と著作権の違いを整理する

今回の問題を通して、知的財産権の中でも産業財産権と著作権の違いについて整理しておきましょう。知的財産権には、主に産業財産権と著作権の二種類があり、それぞれ保護の対象が異なります。

まず、産業財産権には特許、意匠、商標などが含まれます。これらは発明やデザイン、ブランドなどに対する権利であり、独占的に利用するためには申請や登録が必要です。例えば、特許権は「発明」に関する権利で、意匠権は「デザイン」の保護、商標権は「マーク」に関する独占的な権利を指します。

一方で、著作権は、創作された小説、映画、音楽、絵画、プログラムなどの学術的または芸術的な創造物を保護する権利で、作品が生まれた瞬間に自動的に発生します。著作権は、他者に許諾なく利用する場合、原則として著作権者の許可が必要です。

 

この記事の内容は動画と同じです。
動画「【教員採用試験】知的財産権と著作権の違いを解説!(令和6年東京都高校商業工業)」も是非ご覧ください。

 

 

 

学校での著作権については研修・講習・授業などでお話をしています。(事例→先生向け研修生徒向け授業司書向け研修)国公立中学校での実践経験の中で培った現場目線を大切にしながら、各学校の実情やお悩みに沿って研修内容を考えます。ぜひお問い合わせください。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭。東京都公立中・東京学芸大学附属世田谷中に勤務。元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー。

2020年より学校勤務経験を活かして机上の法律と学校現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」としての活動を開始。教員・教育実習生・子どもに著作権への理解を深めてもらうための講演活動・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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