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【著作権の授業実践事例】著作権の基礎・引用・学内外での著作権の違い(福島県棚倉町立高野小学校)

【著作権の授業実践事例】著作権の基礎・引用・学内外での著作権の違い(福島県棚倉町立高野小学校) 生徒向け著作権出前授業の紹介
生徒向け著作権出前授業の紹介
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2023年1月、福島県にある棚倉町立高野小学校でおこなわれた出前授業の講師を務めました。

講演時間は1コマ45分間。
オンライン会議ツールZoomでPowerPointを共有したり、双方向コミュニケーションツールAhaSlides(アハスライド)を用いて楽しく進めていきました。

内容は、学校からのリクエストで、著作権の基礎・引用の仕方・学校と学校以外での著作権の違い・クイズでした。

対象者は小学生2~6年生の約40名が参加しました。参観に教育委員会の方もいらっしゃいました。
そしてこちらからお願いして、1週間前に教員対象で30分間の研修をしました。オンラインで実施し、教育長さんも参加していただきました。

 

事前に、小学校側でクラスごとにZoomに参加してもらい、教室の大画面でZoom画面を見られるようにセッティングして頂きました。そして、アハスライドを使うために、子どもたち一人ひとりに端末を準備してもらいました。

本題に入る前にアイスブレイク。
アハスライドのアンケート機能や言葉の機能を体験してもらいました。
まずは「好きな食べ物」を聞いてみました。ワードクラウドでは、回答が重なると文字が大きく表示されます。

 

2つ目からは著作物を意識した質問です。
好きなまんが・アニメのキャラクターと、好きな理由を聞きました。

 

 

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児童向け著作権研修の中身とは?

まずは、著作権の基礎「作品は作った人の物」
消しゴムを友だちに借りる時に許可を取るのと同じように、他の人が作った絵やイラスト・写真・音楽・文章などを使う時には許可をとりましょう。そして、お願いされた人は「いいよ」「だめだよ」と言える。

次に、「引用の仕方」「学校と学校以外の著作権の違い」
両方とも権利の制限=例外なので、説明がとても難しかった部分です。基礎を教えて、すぐに例外を教えるという急展開の流れでした。

引用の条件や書き方を例示した後、「学校は例外だから、学校以外では原則に則って許可を取る」ということを説明しました。

そして、クイズです。
・校長先生からリクエストがあった「無料」「フリー」のイラストサイトを使う注意点
・写真の撮った人・撮られた人の権利
・壁紙とアイコンの違い
などを○✕などのクイズ形式で答えてもらいました。

途中で「いいね!」「ニコニコ」「びっくり」など表情のリアクションを返してくれたり、正解に一喜一憂したりして、画面上でも熱が伝わってくるほどの盛り上がりでした。
Zoomの特性上、教室内の複数の声・各教室の声をすべて拾うことができず、オンラインの限界を感じたところもありましたが学びの多い時間になったと思います。

 

 

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今回の講演のきっかけは教育実習

今回の講演への登壇の声をかけていただいたきっかけは「教育実習」です。附属学校時代に担当した教育実習生が、教員になって研修講師に指名してくださったのです。
担当した教育実習生たちには、「私と関わったからには、著作権を知って帰ってね」と知的財産権の話をしていました。今回の依頼者は実習時の話を思い出して依頼をくださったのです。

中学生への授業でも、「授業中は種まき。何年後、何十年後に萌芽して花を咲かせるだろう」と長い目で取り組んでいましたが、教育実習生でも同じように数年後に萌芽することがあります。
「教員冥利に尽きる」とはまさにこのことです。1人の大学生に教えたことが、時を経て、数百、数千人の子どもたちに伝わっていくのです。

本当にありがたいことです。

 

 

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授業を受けた生徒の感想

・この著作権の話を聞いて、例えばアイコンとかに他の人が描いた作品を使う時はしっかり許可を取ることや、勝手に使う時は引用や学校しかダメということがよくわかりました。また、ゲーム形式だったから楽しく学ぶことができました。(小学校6年生)

・時間配分や構成が素晴らしかった。教員向けと児童向けの2度の講義ありがとうございました。難しい内容でしたが、ゲーム感覚で学べて、子どもたちにとっても楽しい有意義な時間になったと思います。私自身、著作権について知っているような、知らないような分野でしたので、理解を深めることが出来ました。また、自分を振り返っても抵触している部分が多いと感じました。今日から、出来ることから気をつけて生活したいと思います。(参加教員)

・著作権について知識として知っていること、尊重しようとすることは、自らを守ることでもあるし著作者や作品の継続を守ることになり、大事であることを改めて学びました。ありがとうございました。
しかし、判断が難しい部分もあり、引き続き勉強したいと思いました。(教育委員会)

 

 

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講演を企画した担当者の感想紹介

学生時代に原口先生にいただいた、音楽科における知的財産権についてのお話がとても印象的だったため依頼しました。小学生にもとても分かりやすくご説明いただけて、原口先生に依頼して本当に良かったと思っています。

学校という場において、例外が多く存在することにややこしさも感じますが、子どもたちにとても身近な例を挙げていただきながらお話しくださったので、よく理解できたのではないかと思います。

ありがとうございました。

 

 

まとめ

小学生向け、しかもオンラインという方法は初めてだったので、公開研究会のような緊張感がありました。

子どもたちの近くにいて普段の様子を見ている依頼者と学習指導案やパワーポイント資料についてメールでやりとりをしたり、学習指導案のたたき台を作る段では元小学校校長・現職小学校教員、そして『ONE PIECE』を教材に使用するということで海賊版対策の最前線で活動なさっている集英社の方にも添削・ご指導をいただきました。

実践した授業は、実施校のご理解を得て録画し、著作権の有識者に視聴していただきました。この実践を次の実践や研修での発表につなげていきます。

学校での著作権については研修・講習・授業などでお話をしています。(事例→先生向け研修生徒向け授業司書向け研修)国公立中学校での実践経験の中で培った現場目線を大切にしながら、各学校の実情やお悩みに沿って研修内容を考えます。ぜひお問い合わせください。

▶研修のご依頼・ご相談はこちらの専用ページで受け付けています。
▶その他のご相談・ご質問はこちらの問い合わせページから受け付けています。

この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭。東京都公立中・東京学芸大学附属世田谷中に勤務。

2020年より学校勤務経験を活かして机上の法律と学校現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」としての活動を開始。公立中学校の音楽科教員として教鞭をとる傍ら、教員・教育実習生・子どもに著作権への理解を深めてもらうための講演活動・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー

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