主催団体:公益財団法人沖縄県学校給食会 沖縄県学校栄養士会
研修テーマ:学校における教育活動と著作権
2025年5月、公益財団法人沖縄県学校給食会の沖縄県学校栄養士会主催の研修会で講師を務め、「学校における教育活動と著作権」をテーマにお話ししました。
本研修では、著作権の基本的な知識はもちろんのこと、栄養教諭の先生方が日常的に作成される「食育だより」など、学校内外へ情報を発信する際に特に注意すべき点に焦点を当てて解説しました。
研修の全体像(那覇市・沖縄県内の栄養教諭向け)
受講者と研修スタイル
今回は、沖縄県内で活躍されている栄養教諭の先生方、約130名を対象に、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド形式で研修を実施しました。
私の研修では、参加者との対話を重視しています。今回も、双方向コミュニケーションツール「AhaSlides(アハスライド)」を活用し、リアルタイムの投票や質問を受け付けながら進める参加型形式をとりました。 研修の冒頭では、まずツールの機能に慣れていただくためのアイスブレイクを実施し、楽しみながら学べる雰囲気づくりを心がけています。
沖縄に来たら食べていってほしい/買って帰ってほしいものを、参加者の皆さんに聞いてみました!
研修の具体的な内容(那覇市・沖縄県内の栄養教諭向け)
今回取り上げた主なトピック
今回の研修では、栄養教諭の先生方の日々の業務に直結する内容を重点的に取り上げました。
- 著作権の基礎: そもそも著作権とは何か、基本的な考え方をわかりやすく解説しました。
- 学校での著作権: 教育現場で認められている著作物利用の例外について、具体的なケースを交えて説明しました。
- オンライン授業や行事配信の留意点: GIGAスクール構想の進展に伴い、ますます重要になるオンラインでの著作権の注意点を共有しました。
- 授業目的公衆送信補償金制度(SARTRAS)のポイント: 補償金を支払うことで可能になる、オンライン授業での著作物利用の幅について解説しました。
- 学校からのよくある質問と回答の紹介: 現場から寄せられる具体的な疑問にお答えするQ&Aセッションを設けました。
- 利用規約の重要性: フリー素材などを利用する際に、必ず確認すべき「利用規約」の読み解き方を実践的に学びました。
- 質疑応答: 参加者の皆さんからリアルタイムで寄せられた質問に、その場でお答えしました。
「できない」理由を探すのではなく、「こうすればできる」を見つける。そのために、現場で“すぐに使える”具体的な解決策を中心にお話ししました。
特に、学校だよりなどでよく使われる「いらすとや」さんのようなフリー素材サイトの正しい利用方法や、利用規約を確認する重要性について、具体的な事例を交えて解説しました。
研修のポイント
今回の研修で最もお伝えしたかったのは、「著作権の知識は、クリエイターだけでなく子供たちや先生方を守るためのものでもある」ということです。
特に、食育だよりや地域のイベントなどで学校外へ情報発信する機会の多い栄養教諭の先生方にとって、著作権の正しい理解は不可欠です。
「知らなかった」では済まされないトラブルを未然に防ぎ、安心して子どもたちのための素晴らしい資料を作成し続けていただく。そのための前向きな知識として、著作権を捉え直していただくことを目指しました。
参加者の声(那覇市・沖縄県内の栄養教諭向け)
研修主催者の声
研修の企画を担当されたご担当者様からは、以下のようなお言葉をいただきました。
全国の栄養士向け研修で非常に好評だったと聞き、ぜひ沖縄の栄養教諭にとっても必須の研修だと感じて依頼しました。学校栄養士は、お便りなどを通じて学校外へ発信したり、地域の量販店で食育イベントを行ったりと、資料を作成する機会が非常に多いです。 これまで「著作権」という言葉は知っていても、中身を正しく理解できていないことが多々ありました。今回の研修で、著作権の意味を正しく知ることが、結果的に自分を守ることにつながると分かり、大変有意義でした。
研修参加者の声
参加された先生方からも、たくさんの前向きなご感想が寄せられました。
「食育だよりに使っている画像が著作権に違反していないか、チェックしてみようと思いました!」
「イラスト引用などの際には、大切に使わせてもらうという心持ちで、一つひとつていねいに無償の範囲など気をつけてみないといけないと感じました。」
「早く学校に帰って、今まで使ったおたよりを確認したい。今まで『かわいいから』『子どもが喜びそう』という軽い気持ちで使っていたので、作品や作者を守るためにも確認したい。」
研修後、すぐに実践しようという意欲が感じられ、大変嬉しく思います。
この度は、沖縄県内の栄養教諭の先生方という素晴らしい機会をいただき、主催の沖縄県学校栄養士会の皆様に心より感謝申し上げます。
今回の研修が、先生方の日々の業務の一助となれば幸いです。今後も、教育現場に寄り添った情報提供に努めてまいります。