【先生からの質問に回答】学校内研究会での著作物配布、許諾は必要?教職員向け著作権の注意点まとめ

教育現場での著作権対応
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校内で行われる研究会では、子どもたちだけでなく、参観する先生方や外部からの来客にもさまざまな資料が配布されます。

このような場面で、著作権に配慮すべき点はどこにあるのでしょうか?今回は、特に「研究会で先生方に配布する資料」に注目して、著作権上の注意点を解説します。

 

Q
校内研究会で先生方に資料を配布します。その資料の中に著作物が含まれている場合、配布するのに許諾は必要でしょうか?
A

授業内で子どもに配布するのと同じ資料であれば、無許諾で配布ができます

 

 

(略)ただし、授業参観や研究授業の参観者に、授業で配布する著作物と同一の著作物を配布することは、「必要と認められる限度」と考えられます。
-出典「改正著作権法第35条運用指針

 

このように、授業の中で子どもたちに配布するワークシートや教材などは、研究授業を参観する先生方にも許諾なく配布することが認められています。

 

 

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学習指導案には要注意

ただし、すべての資料が無許諾で配布できるわけではありません。

たとえば「学習指導案」のように、子どもたちには配布しない資料に著作物が含まれている場合、原則として許諾が必要です。もし著作物を含める場合は、著作権法第32条の「引用」の要件を満たしているかどうかを確認しましょう。要件を満たしていれば、無許諾でも掲載が可能です。

 

 

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まとめ:同じ資料でも配布先に注意

校内研究会での資料配布については、「子どもに配布する資料」と「教員向けに配布する資料」とで、扱いが異なります。

研究授業で使用する教材と同一の資料であれば、参観者に対しても無許諾で配布が可能ですが、それ以外の資料は注意が必要です。特に学習指導案に著作物を含める場合は、引用の条件を満たしているか確認することが大切です。

正しい著作権の理解で、安心して研究会を運営しましょう。

 

この記事は、動画「【先生からの質問に回答】校内研究会での資料配布、許諾は必要?著作権の注意点を解説!」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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