【先生からの質問に回答】合唱練習の音源共有、どこまでOK?学校で守るべき著作権ルール

【先生からの質問に回答】合唱コン練習用のパート音源を共有するには許諾が必要か? 教育現場での著作権対応
教育現場での著作権対応
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中学校の合唱コンクールのパート音源に関する質問です。

合唱コンクールの練習をする時に授業(音楽科や特別活動)を使って練習をすることがあります。以前でしたら、ピアノやキーボードを使った練習が多かったですが、最近はパート別の音源があって、それを使って練習をするという学校もあるようです。
出版社から販売されている物もあれば、先生自身が作るということもあるようです。1枚のCDを共有することはいいのでしょうか?

 

Q
中学校で校内の合唱コンクールをします。練習をするために、パート音源をCDからMP3で取り込み、Googleドライブで共有します。
この場合、著作権者やCDレコード会社に許諾等の手続が必要になるのでしょうか?
A

原則として、著作権者やCDレコード会社の許諾が必要です。
ただし、音楽科の「授業」の一環として利用し、かつ学校が「授業目的公衆送信補償金制度(SARTRAS)」に加入している場合は、一定の条件下で許諾なしに利用できる場合があります。
しかし、合唱の練習が授業外として行われる場合、授業外での共有はこの制度の対象外となる可能性が高いです。また、出版社やレコード会社によって対応が異なるため、必ず個別に確認することが必要です。

条件1.SARTRASへ支払をしていること(授業目的の場合のみ)

著作物をGoogleクラスルームやGoogleドライブにアップロードして共有する場合、「授業目的」であり、かつSARTRASに補償金を支払っていることが必要です。授業外の活動のための共有は対象外となります。

SARTRASについては「SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)とは?」の動画で
支払いをしているかの確認方法については「SARTRASに申請済か確認する方法を紹介」の動画で解説しました。

 

条件2.共有する範囲(人数・期間)

共有する人数や期間にも注意が必要です。権利者の利益を不当に害さないよう、その曲の授業・行事が終わったら、すぐに削除することが求められます。

 

条件3.出版社やレコード会社への個別確認

出版社やレコード会社によって許諾条件が異なるため、必ず個別に確認し、必要な手続きを行ってください。

学校における「著作権」の正しい理解と実践のために
著作権に関する研修・講習・授業を通じて、学校現場での対応についてお伝えしています。
これまでの研修例には、先生向け研修生徒向け授業司書向け研修などがあり、幅広いニーズに対応してきました。

国公立中学校での実践経験をもとに、現場に即した内容でご提案いたします。
学校ごとの課題やご要望に応じて柔軟に対応いたしますので、ぜひご相談ください。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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