2022年8月開催の文化庁主催のイベント「著作権講習会」において、全国の教職員・情報通信技術支援員(ICT支援員)向けに講演をしました。
海賊版による恐ろしい被害状況とは
今回は「知財創造教育の実践 ~インターネット上の海賊版被害の現状を踏まえて~」を演題の約3時間の講習会のうち、第2部の1時間を担当しました。
一般社団法人ABJ伊東敦さんとの対談形式で、伊東さんから漫画の海賊版の現状を聞いて私から学校での現状や実践について話しました。
第1部は授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)理事の野方英樹さんから、著作権とオンライン授業の話がたっぷり1時間半ありました。
その後の登壇でしたので、とても安心して学校に特化し学習指導要領・教科書・教員採用試験・NHKコンクールや吹奏楽コンクールについて話すことができました。
対談した伊東さんの話では、
・海賊版サイトは1,000サイト
・タダ読みされた金額2021年は年間1兆超
・海賊版サイトへの作品追加リクエスト、いいね
・海賊版サイトからウイルス、不正請求、詐欺メール、アダルト系、出会い系、オンラインカジノ等につながる
このような恐ろしい話を聞きました。
子どもたちは漫画が好きです。そして、タダで読めることを望み、海賊版サイトを知っている子どもはヒーロー/ヒロインになってしまいます。
ABJの対策として、
・海賊版サイトへの閉鎖要請
・出版社が正規サービスを運営
・正規サービスへのABJマークをつける
・漫画、映画の前、サイト等での普及啓発
といったことを進めているそうです。
また、伊東さんは作り手に近いこともあり、子どもたちの心を打つ漫画家さんの言葉も聞けました。
講習会参加者の感想の紹介
・学校教育の中で、教師自身が著作権を侵害しないことはもちろん、児童生徒にどのように著作権を理解させるか、また、侵害をすることでどのような影響があるのかなどを取り扱い、指導していくことの重要性を理解することができました。
・今回の研修に学校の代表として参加したところですが、今回の内容については、すべての教職員が理解し実践していかないといけない内容だと感じました。校内研修などの機会にこの内容を伝えることも大切だと思います。
登壇依頼者の感想紹介
・大変分かりやすいご講演で、受講者の著作権に対する理解は、本日でかなり深まったものと存じます。皆さまのご尽力により、規模・クオリティともに、過去にないものとなりました。
まとめ
音楽も漫画も、違法サイトは子どもたちのすぐ近くにあります。子どもたちは使う側だけでなく、発信する側にもなりえます。
学校は例外であることの自覚、子どもたちへの言葉かけ、著作権意識の周知が求められます。
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