生成AI時代の読書感想文:見破る方法と新しい宿題アイデア

著作権よくある質問
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今回は、「生成AI」と「読書感想文」の関係についてお話しします。

生成AIについては、さまざまな立場の人々が活発に議論を交わしています。
肯定的な意見もあれば、否定的な意見もあるでしょう。皆さんの中にも、生成AIの活用についてそれぞれの意見があるのではないでしょうか。

学校現場から多くの著作権に関する研修依頼をいただく中で、教員の方々から以下のような質問を受けることが増えています。

1つ目は、「読書感想文が生成AIによって作られたものかを見破ることができるのか?」という質問です。
2つ目は、「生成AIの活用について、子どもたちにどのように指導すればよいのか?」というものです。

2つ目の質問については、文部科学省が発表した「学校教育における生成AIの活用に関する暫定的なガイドライン」を参考に解説しています。詳細は別の記事「生成AIを学校でどう教える?:子供たちに教えるべき3つのポイント」で取り上げていますので、ぜひご覧ください。なお、この記事では私の個人的な見解ではなく、文部科学省のガイドラインに基づいた内容をご紹介しています。

生成AIを学校でどう教える?:子供たちに教えるべき3つのポイント
学校教育における生成AIの活用と著作権について詳しく解説。生成AIの正しい指導方法、最新のガイドライン、そして家庭と学校の連携の重要性を押さえ、子供たちが安全かつ効果的にAIを活用できる環境を整えましょう。

 

今回は、特に1つ目の質問である「読書感想文が生成AIによるものかを見破ることができるのか?」について、考察していきたいと思います。

 

最初にご案内です。この情報は動画配信日開始日時点の情報です。必ず最新の情報をご確認ください。また運用の際は必ず原文をお読みください。

 

 

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読書感想文が生成AIによるものか見破る方法

さて、ここからは「読書感想文が生成AIによるものかどうかを見破る方法」について考えてみましょう。専門家の意見や実際の経験に基づいて、いくつかのポイントをご紹介します。

 

文体と語彙の違い

読書感想文が生成AIによるものかを見破るための1つのポイントは、文体と語彙の違いです。

まず、教員の皆さんは、日常的に子どもたちの文体や語彙をよく把握しています。
これは、校種や発達段階に応じて異なりますが、個々の子どもたちの話し方や言葉遣いには独特の特徴があります。このような微妙な違いは、教員だからこそ気づけるものです。

一方で、生成AIが作成した文章には、特有の文体や構造があります。
生成AIが作る文章は、非常に流暢である一方で、内容が一般的であったり、個性が欠けていることが多いです。これが、生成AIによる文章を見破る手がかりになるかもしれません。

教員自身が生成AIを実際に使ってみることで、AIが生み出す文体や語彙、表現、文章の流れに慣れ、その特徴を理解することが重要です。これにより、子どもたちの文章と生成AIの文章の違いをより鋭く見抜けるようになるでしょう。

 

子供への質問

読書感想文が生成AIによるものかを見破るためのもう一つの方法は、子供に直接質問をすることです。

生成AIは、文学作品の特定のシーンや登場人物に関する詳しい説明や感想を苦手とする場合があります。
そのため、子供が提出した読書感想文について、作品の内容に関する質問を投げかけることで、その文章が本当に子供自身の考えに基づいているのかを確認することができます。

特に、読んだことが前提となる質問に対して子供がしっかりと答えられるかどうかは重要です。
生成AIで作成された読書感想文の場合、作品の詳細に関する質問に答えるのが難しくなることがあります。したがって、読書感想文の内容に関連する質問をいくつか用意し、対話を通じて子供に確認することが有効な手段となります。

 

意外な提案

今回、生成AI自身に「生成AIが作成した読書感想文を見破れるか?」と質問したところ、意外な提案がいくつか返ってきました。

まず、手書きで感想文を提出させるという提案です。これは非常に興味深い方法です。
手書きで書かせることで、生成AIの使用を抑制できるだけでなく、書き慣れていない言葉遣いや不自然な表現が浮き彫りになることがあります。

さらに、生成AIは「日々の進化によって、区別がますます難しくなるだろう」とも指摘しています。このため、後述する「読書感想文に代わる宿題」を考えることも有効です。

最後に、生成AIはその活用が必ずしも悪いことではないと述べています。
生成AIの活用方法や利用の仕方を学習活動の一環として考えることは、人間としての役割、特に教員の役割だと考えられます。

 

 

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読書感想文に代わる宿題案

生成AIに、読書感想文に代わる宿題案を考えてもらいました。
ここで提案されたアイデアは、AIに依存せず、子供たちの創造力や理解力を引き出すことを目的としています。それでは、具体的な案をいくつか見ていきましょう。

 

読書ジャーナルの作成

生成AIが提案する1つ目の代替案は、読書ジャーナルの作成です。
これは、子供たちに読書中の気づきや感情を記録させる方法です。

読書ジャーナルでは、単なるあらすじの要約ではなく、読んでいる最中に感じたことや考えたことを日々記録していきます。
これにより、子供たちは物語の深い理解を促されるだけでなく、個々の考えや感じたことを表現する力も養われます。ジャーナルを通じて、特殊な体験や考え方の変化を記録することで、より個人的で深い学びが得られるでしょう。

 

キャラクターインタビュー

生成AIが提案する2つ目の代替案は、キャラクターインタビューです。
これは、子供たちが読んだ本のキャラクターになりきって、自分自身にインタビュー形式で作文を書かせる方法です。

このアプローチでは、キャラクターの視点から意見や感情を深く考える必要があります。キャラクターが物語の中でどのように感じ、どのような行動を取ったのかを想像し、それに基づいて質問と回答を作成します。
こうした活動は、AIが苦手とする創造的な思考を促進し、子供たちの読解力と想像力を育む効果が期待できます。

 

読書ディスカッション

生成AIが提案する3つ目の代替案は、読書ディスカッションです。
これは、クラスやグループで読んだ本についてディスカッションを行い、子供たちに意見や感想を共有させる方法です。

ディスカッションでは、質問に対する答えや意見をリアルタイムで考える必要があるため、生成AIの影響を排除することができます。また、他の子供たちの意見を聞くことで新たな視点を得たり、自分の考えを深めたりすることができます。
このような活動は、コミュニケーション能力の向上にも役立ち、AIが得意としないアドリブ的な思考力を養う効果が期待できます。

 

クリエイティブプロジェクト

生成AIが提案する4つ目の代替案は、クリエイティブプロジェクトです。
これは、読んだ本をもとに、短編映画や演劇、ポスター、漫画などのクリエイティブなプロジェクト、つまり二次的創作を行う方法です。

この活動では、子供たちが読んだ物語を自由な形式で再解釈し、表現することが求められます。
AIが苦手とする創造力や独自の発想を生かすことができるため、子供たちの創造的な思考力を伸ばす良い機会となります。また、作品を作り上げる過程で、物語の理解がさらに深まることも期待できます。

 

オルタナティブエンディング

生成AIが提案する5つ目の代替案は、オルタナティブエンディングです。
これは、読んだ本の結末を変えたり、続編を考えたりする方法です。

この方法では、物語の結末を再構築するため、元々のストーリーやキャラクターを深く理解する必要があります。また、新しいエンディングや続編を考えることで、子供たちの想像力がさらに刺激されます。
この活動は、AIが苦手とする創造的な思考を必要とし、物語への深い理解とともに、子供たちの創造力を引き出すことが期待できます。

 

リアルタイムの読書記録

生成AIが提案する6つ目の代替案は、リアルタイムの読書記録です。
これは、読書の最後に感想を書くのではなく、読書の過程において定期的に進捗や考えたことを記録させる方法です。

この方法では、子供たちが読書中に感じたことや考えたことをリアルタイムで記録するため、AIによる文章生成の影響を排除することができます。また、読書の過程を振り返ることで、読んだ内容をより深く理解し、記録を通じて考え方の変化を追跡することが可能です。
このような活動は、読書体験をより豊かにし、子供たちの思考力や記録力を養う効果が期待できます。

 

 

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まとめ

今日は、生成AIと読書感想文について考察しました。

学校での生成AIの活用については、国からさまざまな方針が示されています。
2023年7月には、文部科学省が「学校教育における生成AIの活用に関する暫定的なガイドライン」を発表し、生成AIの利用に関する基本的な考え方を提示しました。
また、2024年7月からは「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議」が始まり、さらに詳細な議論が進められています。

読書感想文に関しても、これらのガイドラインに基づいて、どのように生成AIを活用するかを慎重に考える必要があります。詳細については、別の記事「生成AIを学校でどう教える?:子供たちに教えるべき3つのポイント」で詳しく解説していますので、文部科学省の資料とともにぜひご覧ください。

生成AIを学校でどう教える?:子供たちに教えるべき3つのポイント
学校教育における生成AIの活用と著作権について詳しく解説。生成AIの正しい指導方法、最新のガイドライン、そして家庭と学校の連携の重要性を押さえ、子供たちが安全かつ効果的にAIを活用できる環境を整えましょう。

 

動画と記事は下記を元に原口 直が再構成​しました。
ツール名:ChatGPTおよびGoogle Gemini​
プロンプト:「読書感想文の宿題をAIにさせたことを見破れるか?」​ 「AI時代に読書感想文の宿題をどのように変えるか」
日付:2024.8.3​

 

 

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭。東京都公立中・東京学芸大学附属世田谷中に勤務。元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー。

2020年より学校勤務経験を活かして机上の法律と学校現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」としての活動を開始。教員・教育実習生・子どもに著作権への理解を深めてもらうための講演活動・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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