高校美術科の出題で学ぶ動画制作と著作権【令和6年度採用群馬県高等学校美術 教員採用試験】

学校著作権ナビ 動画
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今日は、教員採用試験で出題される知的財産権や著作権についてお話しします。

 

この記事は動画配信日時点の情報に基づいて作成しています。
実際に著作物を利用する際には、必ず最新の著作権法原文や運用指針などをご確認ください。

 

私が教員採用試験における著作権問題について取り上げる理由は、単に現職の教員の皆さんに勉強していただきたいからではありません。特に若手の教員は、知的財産権や著作権についてしっかりと学んで教員になっています。このことを、現職の教員の方々にも知っていただきたいのです。

 

 

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知的財産権と学校での著作権運用の基本

知的財産権とは?

まず、知的財産権についておさらいします。知的財産権には「産業財産権」と「著作権」が含まれます。著作権は、作品が生み出された瞬間にその創作者に自動的に発生します。
著作権法には「作品は作った人のものである」「作品を使用・複製・改変する場合には、作成者の許諾が必要である」と定められています。

 

ただし、著作権法の中には許諾を取らずに利用できる例外規定もあります。その一つが学校での使用です。

学校では教育活動の一環として、一定の条件下で著作物を許諾なしに使用することが認められています。ただし、これにも細かい条件があり、適切に運用するためには最新の法規やガイドラインを確認することが重要です。

 

 

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教員採用試験の著作権出題例と解説

次に、実際の教員採用試験問題について解説します。今回取り上げるのは、令和6年度採用群馬県高等学校の美術の問題です。

問題文は次の通りです。

 

『高等学校学習指導要領』(平成30年3月告示)における芸術科『美術1』A表現(3)映像メディア表現の学習において、動画を制作する題材を設定したい。次の(1)(2)の問いに答えなさい。
(2)作品制作の素材として、生徒が他者の著作物を活用する場面が想定される。この場合、生徒が創造することの価値を理解できるよう、どのようなことに留意して指導するか書け。

この問題に対して、自治体のウェブサイトで公表されている回答例は次の通りです。

「自己や他者の作品に表れている創造性を尊重する態度の育成を図るとともに、美術に関する知的財産権や肖像権についても触れるようにする。」

 

この回答例には、学習指導要領の文言が使われていることが分かります。「創造性を尊重する」「態度の育成を図る」「知的財産権について触れる」という表現は、学習指導要領に記載されている重要なポイントです。

 

各校種・教科の中における知的財産権の扱いについて「【教員のための著作権解説】学習指導要領の中での著作権の扱い」の動画で紹介しています。
【教員のための著作権解説】学習指導要領の中での著作権の扱い
今日は学習指導要領の中にある著作権について、校種・教科をまたいでご紹介します。 学習指導要領とは 全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするために、文部科学省が学校教育法等に基づいて、各学校で教育課程(カリキュラ...

 

 

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著作物の使用と生徒の著作権意識の育成

問題文に出てくる「生徒が他者の著作物を活用する場面」は、実際の教育現場でよく見られるシチュエーションです。

生徒が作品を制作する際、他人が作成した動画や写真、音楽を利用する場面は容易に想像できます。そのため、こうした状況で知的財産権や肖像権について正しい知識を持っているかどうかは非常に重要です。

生徒にこれらの権利をきちんと理解させるためには、まず教員自身がしっかりと理解し、それを生徒に正しく伝えることが求められます。

さらに、生徒が制作した作品にも著作権が発生することを理解させることが重要です。自分が著作物を利用するだけでなく、生徒自身が創作者として著作権を持つ立場になるということを教えることが、将来の著作権意識の育成に繋がります。

このように、他者の著作物を使うことに対する適切な指導と同時に、生徒自身の作品に対する権利意識を育てることが大切です。

 

この記事の内容は動画と同じです。
動画「【教員採用試験】動画制作と著作権のポイントを解説!(令和6年度群馬県高校美術)」も是非ご覧ください。

 

学校での著作権については研修・講習・授業などでお話をしています。(事例→先生向け研修生徒向け授業司書向け研修)国公立中学校での実践経験の中で培った現場目線を大切にしながら、各学校の実情やお悩みに沿って研修内容を考えます。ぜひお問い合わせください。

▶研修のご依頼・ご相談はこちらの専用ページで受け付けています。
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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭。東京都公立中・東京学芸大学附属世田谷中に勤務。元東京学芸大こども未来研究所教育支援フェロー。

2020年より学校勤務経験を活かして机上の法律と学校現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」としての活動を開始。教員・教育実習生・子どもに著作権への理解を深めてもらうための講演活動・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)

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