初任者向け:授業・校務・著作権の3つのポイントで学ぶ 生成AI活用ガイド

学校著作権ナビ 動画
学校著作権ナビ 動画
本サイトはアフィリエイトプログラム等による収益を得ています
PR

近年、生成AIが社会全体で注目を集めています。その波は学校現場にも及び、教職員としても活用方法や注意点を理解しておく必要があります。

この記事では、生成AIの基本的な説明に加え、授業や校務での実践的な活用方法、そして著作権に関する重要なポイントを、初任者にも分かりやすく解説します。

 

 

PR

生成AIとは?基本をおさらい

生成AIとは、大量の情報を学習し、人間のような文章や画像を生成する技術のことです。代表的なツールにはChatGPTやGeminiがあります。これらのツールは非常に高性能ですが、その利用には慎重な姿勢が求められます。

 

生成AI初心者必見!授業準備から情報発信までの実践例」では、実際に生成AIを使っている様子をお見せしています。使ったことがない方は是非ご覧ください。
生成AI初心者必見!授業準備から情報発信までの実践例【動画解説付き】
生成AIを使ったことがない先生向けに、授業準備や情報発信、研修資料作成での具体的な活用法をわかりやすく紹介!動画解説付きで、実際の使い方も簡単に理解できます。著作権や情報セキュリティの注意点も詳しく解説。

 

 

PR

著作権の基本:知っておきたいルール

著作権は「知的財産権」の一つであり、音楽や文章、写真、イラストなど創作された瞬間に自動的に発生します。著作権のある作品は原則として作成者のものとされ、使用・複製・改変する場合には著作者の許可が必要です。

ただし、著作権法には例外規定もあります。学校では、著作権法第35条により授業の中で限定的に著作物を利用することが認められています。これは「学校内における教育目的の使用」に限られ、教員から児童生徒、またはその逆のやり取りに該当する範囲でのみ適用されます。

こうした基本を踏まえた上で、生成AIの活用にも著作権の視点が欠かせません。

 

【教職員向け】著作権をさっと学ぶための厳選ガイド|授業・行事・AI活用までこれだけでOK!
教職員向けに、授業や行事で必要な著作権知識を短時間で学べる動画・記事を厳選紹介。教育現場での対応力を高める実践ガイド。

 

 

PR

最新動向:文科省ガイドラインと学校現場

2024年4月には文化庁の著作権課で生成AIと著作権についての議論が行われました。その後、7月に「初等中等教育段階における生成の利活用に関する検討会議」が設置され、教育関係者や専門家による検討が進められました。そして2024年12月には、文部科学省から正式なガイドラインが発表されました。

このガイドラインは文部科学省のウェブサイトに掲載されており、全文とともに概要版(1〜2枚程度)も用意されています。活用前には、最新情報と原文を必ず確認しましょう。

 

生成AIの利用について:文部科学省

 

 

PR

活用ポイント①:授業での利用

生成AIは、生徒の学びを支えるツールとして授業にも活用できます。

例えば英語のライティング授業では、生徒が書いた英文を入力することで、文法や表現に関するアドバイスを得ることができます。

 

利用上の注意点

  • 使用目的を明確にし、学習指導の目標と一致しているか確認する
  • 生徒の個人情報(氏名・生年月日など)を入力しない
  • 出力結果は必ず教員がチェックし、生徒にそのまま使わせない

 

生成AIの出力は参考情報にとどめ、生徒が自ら考える力を育てる姿勢を大切にしましょう。

 

 

活用ポイント②:校務での利用

生成AIは授業以外にも、教員の業務(校務)を効率化する手段として有効です。

例えば、運動会のお知らせや感染症予防の案内など、保護者向けの通知文のたたき台作成に利用できます。生成された文案をもとに、学校の実情に応じて調整すれば、作成にかかる時間を大幅に短縮できます。

 

校務利用の注意点:

  • 出力内容は必ず人間が確認・修正する
  • 個人情報や機密情報は絶対に入力しない

 

 

活用ポイント③:著作権への配慮

生成AIの利用にあたって最も注意すべきことの一つが「著作権」です。知らず知らずのうちに、著作権を侵害してしまう可能性もあります。

 

注意すべき事例

  • 有名なキャラクター名を入力し、似たイラストを生成する
  • 歌詞の一部を使って詩を作らせる

こうした行為は著作権侵害にあたる可能性があります。また、以下の点にも留意しましょう:

  • 特定の著作物を模倣するような指示は避ける
  • 出力された内容が既存の著作物に似ていないか確認する
  • 授業以外で使用する際は、著作権法第35条の範囲に注意する

 

学校で生成AIを利用する際に押さえておきたい著作権のポイントを「生成AIと著作権の注意点!学校現場での正しい使い方とは?」で解説しています。
生成AIと著作権の基本:教育現場で安心して使うために
生成AIと著作権の基本をわかりやすく解説!学校現場での安全な活用法、著作権法第35条のポイント、注意すべきリスクと具体例を紹介。教育現場で安心して生成AIを使うためにおすすめの記事です。

 

 

おわりに:安心して生成AIを活用するために

生成AIは、使い方を誤らなければ教育現場で大きな助けとなるツールです。授業や校務においては、その目的を明確にし、出力内容を丁寧にチェックしながら活用することが大切です。
そして、著作権に関する基本的な知識を持ち、常に慎重な対応を心がけましょう。

最初は戸惑うかもしれませんが、「こんな使い方ができるんだ」と実感できるようになれば、より創造的な活用アイデアも生まれてきます。生成AIを味方につけて、生成AIを学校で使ってみてください。

 

YouTube動画「【初任者向け】学校で生成AIを使う3つのコツ|授業・校務・著作権をやさしく解説」では、この記事の内容を詳しくお話しています。是非ご覧ください。

学校における「著作権」の正しい理解と実践のために
著作権に関する研修・講習・授業を通じて、学校現場での対応についてお伝えしています。
これまでの研修例には、先生向け研修生徒向け授業司書向け研修などがあり、幅広いニーズに対応してきました。

国公立中学校での実践経験をもとに、現場に即した内容でご提案いたします。
学校ごとの課題やご要望に応じて柔軟に対応いたしますので、ぜひご相談ください。

研修のご依頼・ご相談は
こちらの専用ページで受け付けています。
その他のご相談などは
こちらの問い合わせページから受け付けています。

この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

原口直をフォローする
PR