2024年11月、長野県図書館協会主催の研修で講師を務め、「学校図書館と著作権」をテーマに講演を行いました。本研修では、学校図書館や教育現場における著作権の基本から実践的な応用まで、幅広く学ぶ機会を提供しました。
講義はオンライン形式で実施し、90分間にわたって双方向コミュニケーションツール「AhaSlides(アハスライド)」を活用しながら、参加者との対話を重視した進行を行いました。
受講者と研修スタイル
今回の研修には、長野県内の学校司書・司書教諭・教員・公共図書館職員・市町村教育委員会の職員など約50名が参加しました。
研修は、AhaSlidesを活用した参加型形式を採用。受講者が積極的に意見を出せるよう、アンケート機能やリアルタイム投票を取り入れ、双方向のコミュニケーションを促進しました。
研修の冒頭では、アイスブレイクとして「アハスライドのアンケート機能」や「言葉の入力・スケール機能」を体験してもらい、リラックスした雰囲気の中で学びを深めました。
研修内容
本研修では、学校教育現場で直面する著作権の課題を具体的に掘り下げ、以下の重要なトピックを詳しく取り上げました。
・著作権の基礎:著作物とは何か、どのように保護されるのかを解説。
・学校における著作権の取り扱い:授業・教材作成時の著作権の注意点。
・オンライン授業、行事配信に関する著作権:配信時の適切な利用方法と注意点。
・授業目的公衆送信補償金制度:制度の内容と最新動向。
・著作権授業の実践例:他校での実施事例を紹介。
・参加者の質問への回答:事前に寄せられた疑問を解消。
特に、教育現場で頻繁に使用されるイラスト素材「いらすとや」の利用ガイドラインを取り上げ、誤解されがちな著作権のルールを実例を交えて解説しました。たとえば、以下のような問いかけをしながら理解を深めました。
・「いらすとや」のイラストはすべて無料だと思っていませんか?
・商用利用の際、1点あたりの料金はいくらか知っていますか?
このように、具体的なケースを交えて説明することで、受講者が自身の業務に直結する形で著作権を理解できるよう工夫しました。
研修のポイント:教育現場における著作権の重要性
講演では、近年の報道などをもとに、教員による著作権侵害の事例とその影響についても解説しました。
著作権の適切な取り扱いが求められる理由を、実際のケーススタディを交えて説明し、受講者が現場で実践できるような形で学びを提供しました。
「今日から、自分から、できることから」
このメッセージを軸に、著作権の適切な扱いが、児童・生徒を守ることにつながるという意識を持ってもらうことを目指しました。例えば、授業で使用する教材の出典を明記することや、学校内の掲示物の著作権を意識するなど、すぐに実践できる行動を提案しました。
研修企画者の声
今回の研修の登壇依頼をいただいた理由として、企画担当者の方から以下のようなコメントをいただきました。
「昨年の研修に参加して、説明がわかりやすく、現場の疑問に沿って身近かなお話をされていたことと、エネルギッシュな語り口が素敵だと思いました。」
研修を受講した感想
子どもや先生方への伝え方にも配慮が必要なんだと教えていただきました。子どもの逮捕者を出さないために、周りの大人が知っておかなければならないと痛感しました。「今日から、自分から、できることから」ですね!
研修参加者の感想
研修後、受講者からは以下のような感想が寄せられました。
「大切なことだらけで、とても内容の濃い研修でした。」
「知らないことが多すぎて、自分自身の過去の過ちにゾッとしています。まだまだ知らないことが多いです。」
「きっちりと順を追って研修できたのがよかったと思います。今日からやろうと思います。」
著作権は、教育現場において日々の業務と密接に関わる重要なテーマです。本研修が、受講者の皆様にとって実践的な知識を得る機会となったことを嬉しく思います。
今後も、学校図書館や教育関係者の皆様が安心して著作物を活用できるような情報発信を続けていきます。