2024年7月、島根県教育庁主催の学校図書館の関連者向け研修会において講師を務め、「学校図書館と著作権について」というテーマで講演を行いました。
講演時間は90分間にわたり動画のオンデマンド配信(約1か月間)により行いました。
研修の内容
研修では、著作権の基礎から始まり、学校での著作権の扱い、オンライン授業や行事配信の際の注意点、授業目的公衆送信補償金制度、学校からのよくある質問に至るまで、幅広いテーマを取り上げました。
受講者
研修には、学校司書などの学校図書館に関わる方が参加されました。
教育現場での著作権の重要性
講演では、最近の報道を例に挙げ、教員による著作権侵害の事例やその影響について解説しました。
特に、「いらすとや」の利用ガイドラインを参照しながら、教育現場での著作物の適切な使用方法について深く掘り下げました。
「いらすとや」の利用規約を読んだことがありますか?
「いらすとや」のイラストは、全部無料で著作権がないと思っていませんか?
「いらすとや」のイラストが有償の場合、イラスト1点いくらだと思いますか?
と問いかけつつ具体的実例を交えて解説することで、著作権の知識と意識の向上を図りました。
さらに島根県ならではの著作物として、「山陰中央新報」・島根県のゆるキャラ「しまねっこ」の利用規約も取り上げました。
特に島根県のゆるキャラ「しまねっこ」を使う際セリフの語尾に「にゃ」を付けるというルールが定められており(「島根県観光キャラクター「しまねっこ」使用に関するQ&A)、非常に興味深いルールでした。
研修を企画した担当者の感想紹介
今回の講演への登壇の声をかけていただいたきっかけは「ウェブサイト」です。「専門的知見と学校現場での指導経験を生かした具体的・実践的な講義内容」とのことです。
研修の感想
「経験の浅い司書の方を中心に、非常にためになったという感想が多く聞かれ、研修企画者としても大変うれしく、やはり先生に講義をお願いしてよかったと思いました。
個人としては、「今日から、自分から、できることから」という話が強く印象に残りました。過去や他人がどうこうではなく、自分がこれからどう実践していくかが大事という前向きなスタンスに、勇気づけられました。他にも、授業以外は学校といえども著作権の例外ではないという点は、将来学校現場に戻ったときに十分確認しなければと思いを新たにしました。
行政機関に現に居る立場としては、SARTRASの内容が印象に残りました。調べてみると、県内でもまだ手続きがきちんとできていない市町村もあるようで、どう働きかけていくか考えねばならないと思いました。
全体を通して、学校での指導経験に裏打ちされた、現場の教員目線を大切にした構成と、明快な語り口で、非常にわかりやすく聞きやすい講義でした。ありがとうございました。」
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