今日はGIGAスクール時代の著作権についてお話をします。まずは著作権の原則から。
学校における著作権
著作権の原則と例外
「作品は作った人のもの」
私のこれまでの動画でもお話ししている大原則です。
人の作品を使ったり、増やしたり、変える場合には作った人に許可を取る。なぜなら、作品は作った人のものだからです。
この原則には2つ例外があります。
①私的複製
②学校その他の教育機関
どういった点を指すのか詳しく話します。
個人が家庭内などで楽しむ場合に、作った人に許可を得ずに増やしたり使ったりすることができます。
②学校その他の教育機関
授業目的の複製の場合には、作った人に許可を得ずに使うことができます。
学校・教育機関で利用する場合であっても許諾が必要なケースもある
しかし、学校で使う場合でも例外にならないことがあります。つまり許諾が必要=作った人に許可が必要な場合があります。
2つ目:同じ学校でも、大学などで学習管理システムにアップされた教材を、履修が終わってからも継続利用する場合
これらは許諾が必要です。
また、これはちょっと見落としがちですが、ある教員が著作物を利用して作った資料を他の教員に複製するなどして共有する場合には許諾が必要です。
このように、例外にならない場合で「学校でちょっと使いにくいな」と思ってしまう場面を改善するために、著作権などを管理する団体が集まって方策を考えているところです。これはGIGAスクールより前からずっと同じです。
著作権の視点からオンライン授業での出来る/出来ないを考える
では実際にオンライン授業に置き換えて、「できること」と「できないこと」をまとめます。
オンライン授業で出来ること
教科書や問題集などの一部を、配信画面に映したり生徒に送付したりすることはできます。
また、短文の著作物や国内外すべて…海外も含めた著作物、そしてJASRACなど管理者団体に加入していない者の著作物についても使用することができます。
またオンライン授業でよく使用される動画サイトYouTube。こちらで授業動画をアップする場合、限定公開または非公開でアップする場合に可能です。
ただし教育委員会の動画については、教育委員会は学校ではありませんので著作物を使った動画もアップロードするためには別途許諾が必要です。
また、オンライン授業では授業の資料を生徒へメールしたり、生徒のみがアクセスできるサイトにアップロードすることが可能です。これによって資料を共有することができます。
YouTubeやNHK for school の動画リンクをオンライン授業で配信したり、生徒のみがアクセスできるサイトにアップロードすることもできます。動画の資料を共有することができるのです。
『授業』という言葉が含む範囲ですが、ゼミの他に、特別活動…例えば学活やホームルーム・クラブ活動や児童生徒会の活動・学校行事なども含みます。また部活動や課外補習授業・公開講座もこれにあたります。ここで授業と同じように使うことができるのです。
オンライン授業で出来ないこと
授業動画を一般公開…つまり誰もが見られる状態にすること。また学校以外(担任と生徒以外)が見られる状態にするのはNGです。
また長文全てといった広い範囲にわたるものはNGです。気を付けて下さい。
もちろん作った人の許可を得られれば使うことができます。権利者団体のホームページや申請の方法などを調べて、使いたい場合にはきちんとその手続をとってから使いましょう。
まとめ :【GIGAスクール版】学校における著作権(オンライン授業で何ができる?)
今日はGIGAスクール構想の学校において具体的な例をあげたつもりですが、実際「今、自分の、この目の前の疑問を解決したい」という時には、ぜひこの「学校著作権ナビ」のウェブサイトから質問を寄せてください。コメント欄やメールでも構いません。
寄せられた質問については、本人の許諾を得た上で皆さんに公開して情報や解答をシェアさせていただきます。
1人の疑問は全国の誰かの皆さんの疑問です。1人1台持ったからこそ出てきた疑問、授業を発信するときに思った疑問、ぜひ現場の声・リアルな声をお寄せください。
このサイトの記事の内容は動画と同じです。
動画「【GIGAスクール版】学校における著作権(オンライン授業で何ができる?)」も是非ご覧ください。
コメント