合唱コンクールの歌詞配布と著作権|生徒・保護者への配布ルールを解説

【先生からの質問に回答】保護者に配る合唱コンクールパンフレットに歌詞を掲載しても良い? 音楽・映像・YouTube
音楽・映像・YouTube
本サイトはアフィリエイトプログラム等による収益を得ています
PR

合唱コンクールのプログラムやパンフレット。クラス名・曲名・指揮者や伴奏者の名前を並べたあと、「歌詞も一緒に載せたい」と思う先生は多いのではないでしょうか。でも、保護者にも配ってよいのか、部数が増えたらどうなるのか、判断に迷う場面があるかと思います。

この記事では、歌詞の配布と著作権の関係を、著作権法第35条の適用範囲とJASRACでの手続きとあわせて整理します。

PR

著作権研修の講師を承っています
本記事の内容を含め、学校現場に合わせた著作権研修を行っています。
研修テーマ一覧を見るお申込み・ご相談

生徒への歌詞配布は著作権法第35条の範囲でOKか

校内の合唱コンクールは、学校の授業の一環として位置づけられることが多く、著作権法第35条の適用対象となると考えられます。この条文は、営利を目的としない教育機関において、授業を担任する教員またはその授業を受ける児童・生徒が主体となり、授業の過程で必要と認められる限度において著作物を複製できると定めています。また、著作権者の利益を不当に害しないことが条件となっています。

重要なのは、「必要と認められる限度」という部分です。授業目的に直接必要な部数(たとえば1クラス分)であることが前提であり、それを超える配布は第35条の対象から外れる可能性があります。

 

▼著作権法35条についての解説記事

もし著作権法第35条がなかったら──授業・オンライン配信・補償金制度まで、学校を守るルールを徹底解説
著作権法第35条がない世界を想像したことはありますか?コピー・引用・オンライン配信……学校の当たり前を支えるこの法律と、授業目的公衆送信補償金制度(SARTRAS)の仕組みをセットで解説します。
教員が知っておきたい著作権の基礎ー学校現場での「困った」をスッキリ解消
学校での著作権利用はどこまで認められるのでしょうか。著作権法第35条による教育目的の例外、私的利用(第30条)との違い、ドリルのコピーや運動会動画の配信など現場のQ&Aをわかりやすく解説します。
著作権法第35条をわかりやすく解説|学校教育で許諾が不要になる条件とは
著作権法第35条は、授業の過程での著作物の複製・公衆送信を一定の条件のもとで認める規定です。条文の意味、2018年改正でSARTRASが生まれた背景、「授業」の定義まで、学校教員向けにわかりやすく解説します。

 

 

PR

著作権法第35条の5つの成立条件

著作権法第35条が適用されるためには、主に次の条件を満たす必要があります。

  1. 営利を目的としない教育機関であること
  2. 授業を担任する教員またはその授業を受ける児童・生徒が主体となること
  3. 授業の過程における利用であること
  4. 必要と認められる限度の複製・公衆送信であること
  5. 著作権者の利益を不当に害しないこと

合唱コンクールの場合、校内行事として授業の一環と位置づけられていれば①〜③はクリアしやすい一方、配布する部数や配布相手(生徒か保護者か)によって④・⑤の判断が変わってきます。「保護者への配布は第35条から外れる」とされるのは、この⑤の観点からも理解できます。

著作権の研修で全国の学校を訪問していますが、「保護者向けの配布までOKだと思っていた」という声を耳にします。この違いを押さえておくことが、現場でのトラブル予防につながります。


著作権研修・出前授業のご相談はこちら

この記事のテーマについて、教職員向けの研修や児童生徒向けの出前授業も承っています。

▶ 研修・出前授業のご依頼はこちら → https://maruc.work/seminar-request


この記事は、動画「【先生の疑問】合唱の歌詞をプログラムに載せてOK?著作権ルール」をもとに作成しました。

「もっと体系的に学びたい」「校内で共有したい」という方へ
本記事の内容を含め、学校現場での著作権対応を体系的にお伝えする研修を行っています。
教育委員会・学校単位・研究会単位でのご依頼も受け付けています。これまでの研修例については、先生向け研修・生徒向け授業・司書向け研修をご覧ください。

研修のご依頼・ご相談は
こちらの専用ページで受け付けています。
その他のご相談などは
こちらの問い合わせページから受け付けています。

この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

原口直をフォローする
PR