合唱コンクールの歌詞配布と著作権|生徒・保護者への配布ルールを解説
音楽・映像・YouTube 2022.02.09
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合唱コンクールのプログラムやパンフレット。クラス名・曲名・指揮者や伴奏者の名前を並べたあと、「歌詞も一緒に載せたい」と思う先生は多いのではないでしょうか。でも、保護者にも配ってよいのか、部数が増えたらどうなるのか、判断に迷う場面があるかと思います。
この記事では、歌詞の配布と著作権の関係を、著作権法第35条の適用範囲とJASRACでの手続きとあわせて整理します。
合唱コンクールで歌詞を載せたプログラムを配布する場合、生徒への配布と保護者への配布では、著作権法上の扱いが異なります。著作権法第35条(授業の過程での利用を認める規定)のもとでは、校内の合唱コンクールが授業の一環と位置づけられる場合に限り、生徒への配布は許諾なしで可能と考えられます。
一方、保護者への配布は、第35条で当然に許諾不要といえるものではなく、配布の目的・対象・部数・掲載内容によって判断が分かれます。特に、歌詞を掲載したプログラムを保護者にも配布する場合は、著作権者(JASRACなど)への手続きが必要になることが多いと考えられます。
生徒への歌詞配布は著作権法第35条の範囲でOKか
校内の合唱コンクールは、学校の授業の一環として位置づけられることが多く、著作権法第35条の適用対象となると考えられます。この条文は、営利を目的としない教育機関において、授業を担任する教員またはその授業を受ける児童・生徒が主体となり、授業の過程で必要と認められる限度において著作物を複製できると定めています。また、著作権者の利益を不当に害しないことが条件となっています。
重要なのは、「必要と認められる限度」という部分です。授業目的に直接必要な部数(たとえば1クラス分)であることが前提であり、それを超える配布は第35条の対象から外れる可能性があります。
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保護者への歌詞配布はJASRAC申請が必要になる場合がある
ポイントは、保護者への配布が「授業外の扱い」になるという点です。
保護者は通常、第35条の「教育を担任する者」や「授業を受ける者」には含まれません。ただし、運用指針では、授業参観の場面で、児童生徒に配布したものと同じ著作物を、参観できる保護者の人数以内で渡すことは「必要と認められる限度内」と考えられる場合があると整理されています。もっとも、合唱祭等で利用する歌詞・楽譜等をコピーして児童生徒や保護者に配布することは、著作権者の利益を不当に害する可能性があるため、掲載内容や配布方法によっては許諾が必要です。
JASRACを通じて手続きを行うことで、合法的に歌詞を掲載・配布することができます。申請はJASRACのウェブサイトから行えます。費用の目安は動画収録時点で次のとおりです(最新の料金はJASRACの公式サイトでご確認ください)。
- 歌詞1曲・100部まで:通常1,600円
- 教育機関が営利目的でなく無償で頒布する場合:50%に減額される場合があります
▶ 動画では1:07〜で、JASRAC申請の流れと費用の目安を紹介しています。
対象の曲がJASRACで管理されていない場合は、作詞・作曲者や出版社への直接申請が必要です。JASRACの作品データベース「J-WID」で管理状況を事前に確認しておくとスムーズです。
著作権法第35条の5つの成立条件
著作権法第35条が適用されるためには、主に次の条件を満たす必要があります。
- 営利を目的としない教育機関であること
- 授業を担任する教員またはその授業を受ける児童・生徒が主体となること
- 授業の過程における利用であること
- 必要と認められる限度の複製・公衆送信であること
- 著作権者の利益を不当に害しないこと
合唱コンクールの場合、校内行事として授業の一環と位置づけられていれば①〜③はクリアしやすい一方、配布する部数や配布相手(生徒か保護者か)によって④・⑤の判断が変わってきます。「保護者への配布は第35条から外れる」とされるのは、この⑤の観点からも理解できます。
著作権の研修で全国の学校を訪問していますが、「保護者向けの配布までOKだと思っていた」という声を耳にします。この違いを押さえておくことが、現場でのトラブル予防につながります。
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この記事は、動画「【先生の疑問】合唱の歌詞をプログラムに載せてOK?著作権ルール」をもとに作成しました。