2022年8月に、青森県十和田市教育委員会主催のイベント「ICT活用実践研修会~正しく知ろう著作権 情報活用能力体系表はじめの一歩~」において、十和田市立小中学校教員向けにオンライン(Zoom)で講演を行いました。
著作権に困ったら音楽教員も頼りになるはずですよ
講演のテーマは「オンラインの活用と発信~著作権に自信をもつための手びき~」
90分間の講演では、Zoomを通してパワーポイントとAhaSlides(アハスライド)の共有をしながらお話ししました。出先からの発信で少々緊張しましたが、問題なくやりとりができました。
著作権に関わるニュース、学習指導要領、著作権の基礎と例外、授業目的公衆送信補償金制度(SARTRAS)について話しました。
アハスライドを使ったやりとりでは、アハスライドの使い方に慣れてもらうところから。イメージする言葉を3つ出していただき、ワードクラウドを作りました。意見が多ければ多いほど大きな文字になります。
今回は参加者が端末を持ってきていることもあって、スムーズに参加できました。
そして次は投票の形式。
「著作権に困った時の相談相手」で、『詳しそうな人』が上位に来るのは定番になってきました。なぜか職員室にいる『詳しそうな人』…最近は年齢や性別、教科の特性に偏らないことを感じます。
『音楽科の教員』はゼロ…淋しい。
講演の中では「音楽科の教員採用試験に著作権が出題されている」という例を話しました。ここ3年間で採用された音楽科の教員は著作権を勉強しています。また教員になってからも、部活動の外部コンクールでも著作権について知らないと受賞取消などになってしまうため、情報を持っているんですよ。ぜひ頼ってください!
「教員採用試験 著作権分野の過去問を解説します(令和2年度・3年度)」
「校歌・教員の校内研修・チャリティーコンサートの著作権で注意すべきこと(令和4年教採問題解説)」
研修参加者の感想の紹介
参加者からの感想(一部・抜粋)
・学習指導要領に明記されていることなので、「知らない子どもたち」を作らないことが大事だと知りました。知的財産権の侵害と言われても、どこまでがどうなのか自分自身が曖昧な状態でしたので、今日、少しは自分の知識を増やすことができ、大変参考になりました。(小学校)
・著作権の決まりについてクイズ形式で答えていったので、自分で理解できていないところがわかって大変参考になった。(小学校)
・十和田市がSARTRASへの支払いをしていること。ロイロノートやチームズでの学習がスムーズにできそうだと思った。(小学校)
・どういうものが著作権に引っかかるのかなど、初めて知ったことが多かった。(中学校)
・生徒たちに伝えていくことが、明瞭になったと感じています。今後、校内で検討していきたいと思います。(中学校)
研修を企画した担当者の感想紹介
声をかけていただいたきっかけは、ウェブサイトとYouTubeでした。依頼を決めた理由もYouTube動画。
そして、学校現場の状況をわかっているということも大きかったそうです。
・「著作権に関し、聞いたことはあっても、自身が違法行為をしていることに気付かず、また、児童生徒にも適切な指導を行えていない現状を知ることができました。まだまだ知識不足であるため、何度でもこのような研修の機会をいただきながら学校現場にお伝えしていきたいと思っております。」
まとめ
事前に「実はこんな違反をしていたのですが…」という悩みを聞いていましたが、よくよく聞けばそれは『授業』。使っていいのです。
「著作権を知ること」とは、使わないことを知るのではなく、自信を持って使うことにつながるのだなと改めて感じました。
また、ご担当者からは
「十和田市がSARTRASに支払をしていることを、SARTRASの説明の中で言ってほしい」とのご依頼があり、「十和田市は支払ってくれています。オンラインの著作物を、どんどん使いましょう!」と強調しました。
著作権法の専門家は、弁理士・弁護士・行政書士、法律の研究者たちです。教育学部出身の私よりも正確で詳しいでしょう。
しかし、私の弱みである「法律の専門家でない」は強みにもなります。学校がどんなに忙しいか、何を優先して動いているか、年度途中でお金を動かすのがいかに難しいか、そして教員が子どもたちを想っているかを知っています。
もっとも大切にしている『現場目線』で、これからも発信していきます。
今回のようにご依頼者の事前の相談や強調してほしい項目といったリクエストに合わせて、研修をカスタマイズいたします。ご依頼をお待ちしています。
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