今日は YouTube が取り組む著作権についてご紹介します。
学校の先生方から集まる著作権の質問、
その中でよくあるのが「YouTube を授業で見せていいですか?」というものです。
YouTube…なぜ授業で使ってはいけないと思うのでしょうか?
ある先生は「YouTubeには違法動画があるから」というふうにおっしゃっていました。YouTube にアップロードされた動画の中には違法と思われる動画もあります。
質問に対して私は、「YouTubeの動画はすべて授業で使えます」と言っています。
「ただし」という但し書きを必ず添えています。
YouTube にアップロードされている動画については、アップロードする人・投稿する人が「この動画は著作権を侵害していません」ということを認めて、必ず確認をして、アップロードをしているはずです。
しかし、全ての投稿者が著作権についてきちんと学んできちんと判断ができるか?というのは疑問です。
ですので、「ただし」とつけて「但し明らかな違法動画は授業で使うことをお勧めしません」と言っています。
授業で使うYouTube、どんなところに気をつければいいのか?
そして、 YouTube が行っている著作権の取り組みについて3つご紹介します。
今日ご紹介するのは「日本版 YouTube公式ブログ」に書かれていたものです。2021年12月に「YouTube、初の著作権透明性レポートを公開」という記事がアップされました。この中身もあわせて紹介します。
ここでは3つの視点でYouTubeと著作権について見てみましょう。
2つ目は YouTube を【視聴する人】の目線
3つ目はYouTube の【システム自体】そのものの話
YouTube動画投稿者が守るべき著作権とは
まずは投稿する人(YouTube にアップロードする人)に課せられている著作権に対する取り組みです。
まず投稿する人は YouTubeスタジオというのを使っていると思います。
左側にある「著作権」を開くと、チャンネルの著作権として「自分の動画に関する著作権」また「他の人の動画の著作権」について書かれています。青い文字をクリックすると詳しい内容に飛ぶことができます。
自分自身の動画に対して著作権のリクエストがついたものについてはここに表示がされたり、自分自身の動画が他の人のところでアップされているなどということがあった場合に削除のリクエストができたりします。
著作権を守るために、投稿する人がまずYouTube の著作権を学んでなければいけません。
YouTubeクリエイターの守るべきポリシーとガイドライン
そして、YouTubeに動画をアップロードする際にはさまざまな知識を身につける必要がありますが、クリエイターが見る YouTubeクリエイターズのサイトの中にはコンテンツ制作のヒントとして『ポリシーとガイドライン』というページがあります。
「すべてのクリエイターの方に守っていただきたいということがあります」ということで、いくつかの項目に分かれています。その中で大切になっている今回のメインである2つ目、著作権についてです。
「著作権とはオリジナル作品の創造性を保護するもので知的財産法の一形態です。クリエイターは自作の動画または使用許諾を得た動画のみをアップロードできます。つまり許諾を受けずに自作ではない動画をアップロードしたり他者が著作権を所有しているコンテンツを自分の動画で使用したりすることはできません」
といった注意書きがあります。
アップロードするクリエイターは、こういった知識を身につけてから動画の投稿をする必要があるのです。
他にもツールとして、
「許可をしていないのにコンテンツが使用されている場合に、コンテンツの不正使用を防ぐために利用できるツールをいくつか用意しています」という項目があったり、
「フェアユース」一定の条件を満たしていれば著作権者から許可を得なくても著作権を再利用できることを示した法原理という説明があったり、
「著作権侵害」についても書かれています。
「正式かつ有効な削除通知によって、著作権者からコンテンツが無許可で使用されていると通知があった場合、 YouTube が著作権法に従ってお客様がアップロードした動画を削除します」
とあります。
通知の仕方などについては、この後【主張する側】で説明したいと思います。
著作権以外にもクリエイターとして知っておくべきことがここに書かれています。また YouTube クリエイターズの中には YouTube の仕組みとして著作権に関して述べている部分があります。
YouTube の取り組み安全性を高める、そしてセキュリティを強化するこの中に「著作権侵害を防ぐ」というのがあります。
「YouTube ではコンテンツの著作権侵害をどのように防いでいますか?」といったこういった質問に答えています。具体的な内容も書かれています。興味がある方は是非お読みください。
YouTubeを視聴する人と著作権
続いて、YouTubeが取り組む著作権【視聴する人】です。
視聴をしている人が YouTube に対して「著作権の侵害を報告する」というものがすべての動画についています。
画面をクリックして右上。上から4番目の報告を押すと、さまざまな理由で動画を報告する事ができます。
下から3番目に「権利の侵害」というものがあります。例えば「著作権について、その侵害がある」という動画の場合には、ここをクリックして報告することで、著作権について問題があるということをYouTube側に報告する事ができます。
これはすべての人の、すべての動画に付いていますので、誰でも報告をすることができます。
YouTubeのシステム−著作権保護の仕組み
次に YouTube が行なっている著作権の侵害を防ぐためのシステムについて紹介します。
先ほどの日本版 YouTube ブログを使ってお話しします。こちらはYouTubeが不定期で発信している日本版YouTubeの公式ブログです。
この中で2021年12月に「初の著作権透明性レポートを公開」という記事が上がりました。2021年上半期の結果についてはダウンロードすることができます。英語版となっていますので時間がある時に是非ご覧ください。
著作権違反を防ぐためにYouTube も様々な取り組みを行っているということがわかります。
主に3つの主要なツールで行っていると書いてあります。「ウェブフォーム」「コピーライトマッチツール」「コンテンツID」この3つです。
ウェブフォーム
「プラットフォーム上のすべてのユーザーが利用できます。
このツールは著作権をあまり保有しておらず、頻繁に削除依頼を送信する 必要がない著作権者に多く利用されています」とあります。詳しい内容はヘルプセンターにジャンプして読むことができます。
「著作権侵害による削除依頼を送信することが誰でもできます。著作権で保護されているご自身の作品が無断でYouTubeに掲載された場合は著作権侵害による削除依頼を提出できます。削除依頼を提出すると法的手続きが開始されます」
というふうにあります。
自分が著作権を持っている自分の作品について、無断で投稿された時に「それを削除してください」と依頼することができるのです。
コピーライトマッチツール
「第三者によりコンテンツを再投稿されることが多いなど頻繁に削除依頼を送信する必要があるクリエイターが利用するツールです。200万を超えるチャンネルが同ツールを利用しています」とあります。こちらもヘルプセンターで見てみましょう。
「コピーライトマッチツールを使用するYouTube 上の他の動画と一致する動画また一致する可能性がある動画を自動的に検出します。一致が検出された動画は YouTubeスタジオで確認し、どのように対応するかを選択できます」
とあります。
YouTube上の似通った動画をなんと!自動的に検出するというシステムです。詳しい内容はこちらのヘルプセンターをご覧ください。
コンテンツ ID
「映画や音楽のように著作物の再投稿が頻繁に行われるような最も複雑な権利管理環境にある著作権者をサポートします」とあります。
「コンテンツIDはYouTube 上の自分のコンテンツを簡単に特定して管理できます。YouTube にアップロードされた動画はコンテンツ所有者が提出したファイルのデータベースと照合されスキャンされます」
というふうにあります。
こちらには説明の動画がついていて非常にわかりやすいです。英語ですが日本語の字幕も付いていますので、コンテンツIDについて知りたい方はこの短い動画をご覧下さい。
以上、YouTube が取り組む3つの方法…「ウェブフォーム」「コピーライトマッチツール」「コンテンツID」。これによって著作権が守られています。
YouTubeは著作権侵害を防ぐために様々な方法そしてお金もたくさん投じています。YouTubeの様々な努力や取り組みそしてシステムによって著作物は守られています。
コピーライトマッチツールの削除依頼の数は160万件以上となっています。コンテンツ id を使った照合は99%となっています。また、削除依頼を受けたアップロード者が異議申し立てした件数も計測しています。
このような報告さらに詳しい内容がレポートに上っていますのでぜひご覧ください。
「YouTube は著作権者がYouTube 上のコンテンツを管理できるようにするシステムを提供し活気に満ちたコミュニティを維持することに今後も注力していきます」とあるように、YouTube 自身がさまざまな努力そしてさまざまな取り組みをしてくれています。
自分の著作権を守るため、著作物を上手に利用するためにYouTube 自身も様々な取り組みを行っているのです。
まとめ:YouTubeの著作権保護への取り組み【学校授業でYouTubeを使えます。ただし…】
今日は YouTube が取り組む著作権について紹介しました。
投稿をする人自身の著作権の知識はもちろん、主張をする人にも、それからシステム自体にも、「著作権を守る」「著作権を上手に管理して上手に使う活用する」ための方策が何されていることがわかったと思います。
まずは自分自身が著作権をきちんと知るところから、身近な YouTubeから著作権のことを、ぜひ意識したり知識を身につけたりしてみてください。授業で活用する際にもぜひ考えてみてください。
ウェブサイトの記事の内容は動画と同じです。
動画「YouTubeの著作権保護への取り組み【学校でYouTubeを使えます。ただし…】」も是非ご覧ください。
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