「子どもたちに著作権を教えたいけれど、どんな教材を使えばいいのだろう」と迷ったことはないでしょうか。実は、子どもが著作権を学べるサイトは公的な機関や権利者団体がすでにいくつも用意しています。
この記事では、小学生・中学生におすすめの子ども向け著作権学習サイト3つと授業で使う前に先生が見ておきたいページを紹介します。
子どもが著作権を学べる代表的なサイトは、CRIC(著作権情報センター)の「みんなのための著作権教室」、JASRAC(日本音楽著作権協会)の「JASRACパーク」、文化庁の「はじめて学ぶ著作権」の3つです。イラストやアニメーションで著作権の基本から学校生活の場面まで学ぶことができます。どれも、学校著作権ナビゲーターとして活動を始める前、法律の素人として著作権を学んでいた私自身が実際に使ってきたサイトです。
子ども向けに著作権を学べるサイト3選(小学生・中学生向け)
まずは3つのサイトの特徴を表で見てみましょう。
| サイト | 運営 | 特徴 |
|---|---|---|
| みんなのための著作権教室 | CRIC(著作権情報センター) | やなせたかしさんのイラストで基本からシーン別の応用まで学べる |
| JASRACパーク | JASRAC(日本音楽著作権協会) | 音楽の著作権に特化。中高生にもわかりやすいページがある |
| はじめて学ぶ著作権 | 文化庁 | 小学校低学年向けの動画教材。場面ごとのアニメーションで学べる |
CRIC「みんなのための著作権教室」
みんなのための著作権教室は、CRIC(公益社団法人著作権情報センター)が子どものために開設しているページです。やなせたかしさんのかわいらしいイラストで著作権を学ぶことができます。
「学ぼう著作権—私が描いたイラストにも著作権?」では著作権の基本的な内容を学べます。応用編の「こんな時の著作権—シーン別に徹底理解」には学校編もあり、子どもたちの生活に近い場面で考えられるのが特長です。もっと詳しく知りたい子どものために、DVDや用語の検索、リンク集も紹介されています。
▶ 動画では0:38〜で詳しく紹介しています
JASRAC「JASRACパーク」
JASRACパークは、音楽の著作権を管理するJASRACが設けている子ども向けのサイトです。音楽に特化して、著作権を深く学ぶことができます。子ども向けとはいえ、大人でも十分に学べる充実した内容です。
「おしえてジャスラ 著作権ってなんだろう?」では著作権の基礎を学べます。「音楽で自由研究」や「音楽を楽しむ者の鉄則」は中高生にもわかりやすい内容です。中学生に著作権を伝えたいときにも使いやすいでしょう。
▶ 動画では1:33〜で詳しく紹介しています
文化庁「はじめて学ぶ著作権」
著作権を担当する著作権課があるのは文化庁です。文化庁の「はじめて学ぶ著作権」は、小学校低学年向けの動画教材で、教員用の指導手引も付いています。音楽だけでなくさまざまな著作物について、場面ごとのアニメーションで学べます。表現の違い、作者の気持ち、作品の価値といった目的に応じたアニメーションが用意されています。
なお、文化庁の「著作権を学ぶ(教材・講習会)」のページには、小学生を対象にした動画教材「楽しく学ぼうみんなの著作権」なども並んでいます。学年に合わせて選んでみてください。
▶ 動画では2:21〜で詳しく紹介しています
子どもと学ぶときに先生が見ておきたいページ
子ども向けのサイトを授業で使うなら、先生向けのページもあわせて見ておくと安心です。ポイントは、子ども向けのページを作っている団体の多くが指導する人向けのページも用意していることです。
▶ 動画では3:06〜で教員向けのページを紹介しています
CRIC:指導をされる方へ・学校教育と著作権
「みんなのための著作権教室」の中にある「指導をされる方へ」のページでは、著作権の基本はもちろん、教育全般や利用許諾・相談などについても書かれています。
また、CRICの著作権Q&A「学校教育と著作権」には、運動会のプラカードや看板でキャラクターを使うときなど、学校でよくある場面ごとの質問と答えがまとめられています。
授業のわずかな時間でできる著作権教育の事例集「5分でできる著作権教育」は、2025年4月に「5分でできる著作権教育 2.0」として全面改訂されURLが変わりました。
JASRAC:出張講座JASRACラーニングスクエア
JASRACパークの中にある「学校で音楽を使うときには」のページは、先生にぜひ見ておいていただきたいページです。入学式・卒業式、文化祭、クラブ活動、修学旅行など、学校で音楽を使う場面や行事ごとに著作権の手続きが必要なケースと必要ないケースが整理されています。授業で使えるワークシートも掲載されています。
音楽の先生だけでなく、行事で音楽を使うすべての先生に知っておいてほしい内容です。
▶ 動画では4:33〜で詳しく紹介しています
また、「出張講座JASRACラーニングスクエア」では、JASRACが費用を負担する形で児童生徒向けの著作権授業を行っています。内容は音楽の著作権だけに限りません。

SARTRAS:学校教育と著作権
SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)は、オンライン授業などで著作物を送信するときの補償金制度を管理する団体です。文化庁長官が指定した指定管理団体で、補償金を支払うのは学校の設置者(自治体や学校法人など)です。
SARTRASの「学校教育と著作権」のページでは、著作権法第35条(授業の過程で、一定の条件のもとで著作物の利用を認める規定)の解説資料などを読むことができます。法律の素人の私が見てもわかりやすく書かれています。このページに掲載された資料は、SARTRASが複製・公衆送信などの自由な利用を認めているので(ほかの権利者の写真や図などが含まれる場合の扱いはページの案内をご確認ください)、誰かに伝える資料を作るときにも便利です。
▶ 動画では6:00〜で詳しく紹介しています
先生ご自身が著作権をもっと詳しく学びたい場合の調べ方や無料で使える外部研修は、以下の記事にまとめています。

第35条とSARTRASについては、それぞれ以下の記事で詳しく解説しています。
教材を授業で使う前に確かめたいこと
大切なのは、各サイトの利用条件を確かめてから使うことです。教材ごとに使える範囲や出典の書き方が決められていることがあります。
たとえば文化庁は、「著作権テキスト」について、プリントアウト・コピー・無料配布や、学校教育のための非営利目的での利用ができるとしたうえで出典を明記するよう求めています。ほかの教材にも、それぞれ利用条件が示されていることがあります。SARTRASの資料も、中にほかの権利者の写真や図などが含まれる場合があるので、使う前にページの案内を確かめておくと安心です。
▼著作権を本で学ぶなら?

まとめ:既存の教材から目の前の子どもに合うものを選ぶ
一から勉強して一から教材を作るのは大変です。しかし、子どもが著作権を学べる教材はすでにいろいろ用意されています。
いろいろな教材を見たうえで、目の前にいる子どもたちや学校の環境の中でどれが一番ふさわしいかを選んで使ってみてください。著作権は怖がって遠ざけるものではありません。正しく知って、正しく使う。その第一歩を、子どもたちと一緒に踏み出していきましょう。
▶ 動画では7:14〜でお話ししています
よくある質問(FAQ)
Q. 小学生が著作権を学べるサイトはありますか?
A. CRICの「みんなのための著作権教室」や、文化庁の「はじめて学ぶ著作権」(小学校低学年向けの動画教材)があります。文化庁のページには、小学生を対象にした「楽しく学ぼうみんなの著作権」もあります。
Q. 中学生向けに著作権を学べるサイトはありますか?
A. JASRACの「JASRACパーク」には、「音楽で自由研究」や「音楽を楽しむ者の鉄則」など中高生にもわかりやすいページがあります。CRICの「みんなのための著作権教室」の応用編には学校の場面を扱ったページもあります。
Q. これらの教材を授業でそのまま使ってもよいですか?
A. 使える範囲や出典の書き方は教材ごとに決められていることがあります。各サイトの利用条件を確かめたうえで使うと安心です。
Q. 先生自身が著作権を学ぶにはどこを見ればよいですか?
A. 学校での具体的な場面はCRICの「学校教育と著作権」、第35条の範囲はSARTRASのページが参考になります。詳しい調べ方は「著作権をもっと詳しく学びたい教員へ」の記事にまとめています。
著作権研修・出前授業のご依頼を承っています。研修の内容・形式・費用の考え方、よくある質問は研修のご案内にまとめています。
この記事は、動画「子どもと教員向け 著作権を学べるサイト4選|CRIC・JASRAC・文化庁・SARTRAS」をもとに作成しました。



