学校現場でよくあるのが「図書だより」や「学校ウェブサイト」、あるいは「Googleクラスルーム」などに本の表紙写真(書影)を掲載したいというケースです。
このとき、著作権の問題が生じることがあるため注意が必要です。この記事では、具体的にどのような場合に許諾が必要なのかを解説します。
図書だより・学校ウェブサイト・Googleクラスルーム等に本の表紙を掲載するには許諾が必要?
- Q図書だより・学校ウェブサイト・Googleクラスルーム等に本の表紙の写真(書影)を掲載する時に許諾は必要か?
- A
「無許諾で良いのでは?」という見解もあります。
しかし、明らかに「授業の過程」である場合を除くと、様々な見解があるため出版社への確認をおすすめします。
図書だよりに掲載する場合の注意点
図書だよりに本の表紙を掲載する場合、以下の2つの条件のいずれかに当てはまれば許諾は不要と考えられます。
引用として使用する場合(著作権法第32条)
表紙画像と共に、独自の書評や感想文などを掲載することで「引用」として認められます。この場合は、書名・著者名・出版社名・発行年などの出所を明記する必要があります。
美術の著作物等の譲渡等に伴う複製(著作権法第47条の2)
学校図書館が「この本ありますよ」と蔵書を紹介する場合も許諾は不要とされます。ただし、実際にその書籍を保有していることと、出所の明記が条件です。
また、どちらの場合も画像サイズや解像度には制限があります。以下の基準を守りましょう:
参考法令:
著作権法施行令7条の3
著作権法施行規則4条の2
学校ウェブサイトに掲載する場合
学校ウェブサイトで本の表紙を掲載する際は、「誰が閲覧できるか」や「どのくらいの期間公開するか」といった点に注意が必要です。一般公開される場合は、特に慎重に対応しましょう。
Googleクラスルームなどクラウドへの掲載
Googleクラスルームなどのクラウドサービスに表紙画像を掲載する場合、「授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)」への補償金支払いが必要になります。
事前に所属学校や自治体が契約しているかどうかを確認しましょう。
「SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)とは?」
「学校・自治体がSARTRASに補償金を支払済か確認する方法」
宣伝目的と見なされる利用について
「宣伝になるから問題ない」と自己判断するのは危険です。実際に宣伝目的かどうかを判断するのは著作権者側であり、安易な公開はトラブルのもとになります。
この記事動画「学校で本の表紙写真を使うときの著作権|図書だより・ウェブサイト・Googleクラスルームでの注意点」をもとに作成しました。