教材を作っていて「これ勝手にコピーしていいのかな?」「YouTubeの動画を授業で見せても大丈夫?」と不安になったことはありませんか?
著作権という言葉を聞くだけで「難しそう」「怒られたらどうしよう」と感じてしまう先生も多いと思います。でも実は、著作権は先生方を縛るものではなく、安心して良い教材を使うための「守り神」のような存在です。
この記事では、①迷った時に頼れる公式サイト3選、②校内で相談できる仲間の見つけ方、③権利者に許可をもらう時の「魔法のメモ」の5項目——の3つに絞って解説します。難しい法律用語は使わず、明日からすぐ実践できる内容です。
迷った時に頼れる「公式サイト」を知っておこう
著作権のルールは、スマートフォンのアップデートのように変わり続けています。昔はダメだったけど今はOK、またその逆もあります。大切なのは全部を暗記することではなく、「迷った時にここを見れば大丈夫」という場所を知っておくことです。
ネット上にはさまざまな情報が流れていますが、国や専門機関が出している情報を確認することで、「これなら大丈夫」と自信を持って授業に臨めます。
文化庁(著作権課)
文部科学省内の文化庁に「著作権課」があり、公式ルールブックとして機能しています。教員向けにイラスト付きで分かりやすく解説した資料が無料で公開されており、著作権の基本確認に最適です。
SARTRAS(サートラス)
正式名称は「授業目的公衆送信補償金等管理協会」。学校でのオンライン利用・オンライン授業に関する情報が詳しく掲載されています。
CRIC(クリック)
「著作権情報センター」の略称。学校に関連したよくある質問集が充実しており、電話による相談(テレフォン相談)ができる唯一の窓口でもあります。自分と同じ悩みを探すのにも便利です。
学校での著作権研修や児童生徒向けの著作権出前授業を行っています。
自分の課題に合わせて著作権について学びたい場合などはお問い合わせください。


1人で悩まず「校内の仲間」を頼ろう
「これやっていいのかな?」と1人で抱え込むと、不安だけが膨らんでいきます。実は学校の中にも著作権について知っている人、関心がある人、情報を持っている人がたくさんいます。
頼りになる先生の例
| こんな先生に聞いてみよう | 理由 |
|---|---|
| 音楽の先生 | 楽曲・演奏の著作権に詳しい場合が多い |
| 学校図書館の司書 | 複製・引用のルールに精通している |
| 情報担当の先生 | デジタルコンテンツや配信に関する知識がある |
| 採用5年以内の先生 | 採用試験に著作権問題が出るため学習済みの可能性大 |
| 音楽・図工・美術の先生 | 教科の性質上、著作権に触れる機会が多い |
校内で解決できない場合は、管理職を通じて教育委員会に相談する方法もあります。「よくわからないから使ってしまえ」も「よくわからないから使うのをやめよう」も、どちらも子供たちの学びの機会を奪う可能性があります。ぜひ周囲に聞いて、情報を集めてみてください。
権利者に許可をもらう時は「魔法のメモ」を準備しよう
著作権者に許可(許諾)を求める際、何をどう伝えればいいか迷う先生も多いはずです。以下の5項目を整理して伝えるだけで、相手も判断しやすくなります。
権利者への「魔法のメモ」5項目
| 項目 | 具体的に伝える内容の例 |
|---|---|
| 誰が | ○○学校の○○、△年生の○○担当教員 |
| 何を | この本の○ページのこの部分/このウェブサイトのこのイラスト |
| 何のために | 授業の発表会で配布するため/校内行事のために |
| どのように | 紙に○部複製する/学級内のみ閲覧できるオンライン掲載 |
| いつまで | 今学期の間のみ/この単元の指導期間中のみ |
作者の方も、自分の作品がどのように教育に役立てられるかが分かれば、許可するかどうかを判断しやすくなります。誠意を持って、感謝と敬意を忘れずにお願いすることが大切です。
許可が得られる場合もあれば、得られない場合もあります。断られた場合でも、著作者にはさまざまな考え方があることを理解した上で、「ご検討いただきありがとうございました」と伝えましょう。また、代替案を提示してくれる場合もあります。
まとめ
- 迷ったらまず文化庁のサイトへ。SARTRAS・CRICも目的に応じて活用する。
- 1人で判断せず、周りの先生・管理職・教育委員会に相談する。
- 権利者に許可を求める時は「誰が・何を・何のために・どのように・いつまで」の5項目を整理して、誠意を持って伝える。
著作権は、禁止のためのルールではありません。素晴らしい作品を作ってくれた人たちへの「ありがとう」の気持ちを持ちながら、上手に使わせてもらうためのルールです。
先生方は最初から完璧にマスターしなくて大丈夫です。まずは「ちょっと聞いてみようかな」という小さな一歩から始めてみてください。その前向きな姿勢が、子供たちにルールを尊重しながら楽しむ心を教える最高のお手本になります。
この記事は、動画「学校の著作権 迷った時の調べ方・相談の仕方【教員向け】」をもとに作成しました。
