学校の著作権、困ったときの調べ方|教職員が使える4つの無料相談・情報源

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著作権について研修や冊子で一度は学んだものの、「この場合はどうなるんだろう?」「もっと詳しく知りたいけれど、どこを調べればいいのかわからない」と感じた経験はありませんか?

学校現場では日々、授業・行事・ICT活用など、著作権に関わる場面が数多く生じます。
著作権法には学校向けの特別な例外規定があるため、一般の知識だけでは判断に迷うことも少なくありません。

この記事では、著作権の初学者はもちろん、「さらに深く知りたい」という教職員に向けて、信頼性の高い情報源と活用方法を4つのルートに整理して紹介します。情報へのアクセス方法を把握しておくことで、日常的な実務判断がぐっとスムーズになります。

 

注意:本記事の情報は配信時点のものです。著作権法は毎年改正されることがあるため、必ず最新情報をご確認ください。また、実際の運用にあたっては原文をお読みください。
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はじめに:学校における著作権の基本

知的財産権とは?
知的財産権の一種である著作権は、作品を生み出した瞬間に作者へ自動的に発生します。上手・下手、プロ・アマチュアを問わず、創作物には著作権が生じます。
著作権法の原則は「作った人に許可を取る」ことです。
ただし、学校はこの原則の例外として扱われており、一定の条件のもとで許諾を得なくても著作物を利用できる規定が設けられています。
こうした例外規定の詳細や実務的な判断を正確に理解するためには、信頼できる情報源にアクセスすることが不可欠です。
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文化庁|最も正確で最新の著作権情報

著作権に関する情報の一次情報源

文部科学省の外局である文化庁には「著作権課」があり、著作権に関する最も正確かつ最新の情報が集約されています。立法府の情報として信頼性が最も高く、教員が著作権を学ぶ際の基本的な出発点となります。

著作権法は毎年少しずつ改正され、時代やニーズに合わせて内容が変化します。そのため、常に最新版の情報を参照することが重要です。

著作権を学ぶ(教材・講習会) | 文化庁
著作権を学ぶ(教材・講習会)

 

教員向け「著作権テキスト」

文化庁が毎年度発行する「著作権テキスト」は、教員が活用しやすい形式にまとめられており、改訂のたびにホームページ上で公開されます。
最新版を確認することで、現時点での正しいルールを把握できます。

 

文化庁サイトで確認できる主なコンテンツ

文化庁のホームページにある著作権のページでは、以下の情報を確認できます。

  • 著作権テキスト(毎年度更新)
  • 低学年向けを含む各種教材・動画
  • Q&A
  • 「著作権教育5分間の使い方」
  • 「学校における教育活動と著作権」にまとめられた資料
  • 教職員向け講習会・シンポジウムの案内(オンライン視聴・後日YouTubeでの確認も可能)
  • 著作権法改正の情報
  • トラブルが起きた場合の対応

また、インターネット上の海賊版による著作権侵害情報に特化したポータルサイト「コピーライト インターネット上の海賊版による著作権侵害情報対策情報ポータルサイト」も設けられており、海賊版について学びたい場合はこちらも参考になります。

 

 

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CRIC(著作権情報センター)|Q&A・電話相談・無料セミナー

CRICとは

「CRIC(クリック)」は、公益社団法人著作権情報センターの略称です。

教材の紹介のほか、学校などで研修を行う際に講師を無料で派遣する「リクエストセミナー」の窓口を設けています。交通費・講師料ともに無料で依頼できる点が大きな特徴です。

また、CRICには唯一の電話相談室(テレホン相談)があり、著作権に関する具体的な疑問を電話で相談することができます。

公益社団法人著作権情報センター CRIC
著作権情報センター(CRIC)は、著作権の正しい理解と、より良い著作権制度の実現を目指し、著作権思想の普及、著作権関連情報の収集・提供、研究会・研修講座、調査研究、国際協力・交流など多彩に活動しています。

 

学校に役立つページ:著作権Q&A「学校教育と著作権」

CRICサイトに掲載されている「著作権Q&A」の中でも、特に「学校教育と著作権」のカテゴリーは、学校現場でよく遭遇する具体的な場面を想定した内容で構成されています。

取り上げられているテーマは以下のとおりです。

  • 行事(文化祭・演奏会など)
  • 授業・教材
  • Webサイト
  • 試験
  • 学校図書館
  • 引用・私的利用などの著作権の制限規定

まずQ&Aを参照し、それでも解決しない場合は著作権者のウェブサイトや著作権法第35条の運用指針を確認、それでも判断できない場合はテレホン相談を活用するという流れが有効です。

 

学校向けの映像教材と授業・研修支援

CRICには、小中高生のための映像資料「どうすりゃいいんだチョサクケン」(アニメ版・解説版)があります。演劇を文化祭で行う場面を前提に制作されており、指導用ワークシートも用意されています。

映像資料の内容については、「教職員必見!「どうすりゃいいんだチョサクケン」映像資料の活用法と見どころを徹底解説」の動画でも解説しています。
教職員必見!「どうすりゃいいんだチョサクケン」映像資料の活用法と見どころ
今日紹介するのはこちらです。著作権の理解に役立つ映像資料「どうすりゃいいんだチョサクケン 〜ただしくチョサクブツつかうために〜」という動画です。映像資料「どうすりゃいいんだチョサクケン」とは?この映像資料は公益社団法人著作権情報センター(C...

 

また、「著作権教育」のページには以下のコンテンツがあります。

  • 「学ぼう!使おう!学校での著作権活用セミナー」(出前授業・研修、オンライン・対面対応)
  • 「5分でできる著作権教育」
  • 実践事例
  • 著作権教室(子どもがクイズやアニメで学べるサイト)
  • アンケート調査の報告書

セミナーは無料で申し込めます。自校での著作権の授業や教職員向け研修を検討している場合に活用できます。

 

CRICのリクエストセミナー「学ぼう!使おう!学校での著作権活用セミナー」では、私も講師として学校現場へ伺うこともあります。
教職員向け著作権研修(事例)
著作権に不安を感じている教職員の皆さまへ。学校現場に即したわかりやすい研修で、授業や校務での著作物の使い方を一緒に学びましょう。ご相談もお気軽に。
生徒向け著作権出前授業(事例)
小中学校向け著作権出前授業をご案内。児童生徒と教職員が一緒に学べる実践的な内容で、創造力を守りながら安心してICTも活用できる学習環境づくりを支援します。

 

 

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SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)|第35条・補償金制度の確認

SARTRASとは

「SARTRAS(サートラス)」は、授業目的公衆送信補償金等管理協会の略称です。

一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会
ICTを活用した教育の未来と、ICTを活用した教育で用いられる著作物の著作権者、著作隣接権者を支える団体です。

 

授業目的公衆送信補償金制度とは、学校を設置する自治体や学校法人が生徒一人あたり年額の補償金(小学生:120円、中学生:180円、高校生:420円)を支払うことで、授業の目的で他者の著作物をアップロードしたり、教員と児童生徒間でデータを送受信したりすることができる制度です。

SARTRASはこの補償金を管理している協会です。

補償金を支払っているからこそできる教育活動について「【10分でわかる】オンライン授業の著作権|年間120円の授業目的公衆送信補償金制度とは?」で紹介しています。
【先生向け】120円で授業が変わる!オンライン授業の著作権、もう迷わない「授業目的公衆送信補償金制度」とは
オンライン授業での著作権、不安に思っていませんか?実は年間たった120円で、授業で使える著作物の範囲が大きく広がります。この記事では「授業目的公衆送信補償金制度」の基本から、具体的な活用例、注意点までを分かりやすく解説。もう著作権で迷わない!

 

自校の補償金支払い状況を確認する

SARTRASのサイトでは、自校や自治体が補償金を支払い済みかどうかを誰でもいつでも検索できます。手順は次のとおりです。

  1. SARTRASのサイトにアクセスし、「教員の方へ」のページを開く
  2. 「申請済 教育機関設置者・教育機関の名称検索」をクリック
  3. 検索ボックスに自治体名や学校名を入力して検索する

検索結果は随時更新されます。すぐに結果が表示されない場合は少し時間をおいてから確認すると良いでしょう。過去の年度についても調べることができます。

【オンライン授業・行事配信に不可欠】学校・自治体がSARTRASに補償金を支払済か確認する方法」の動画で、自分の学校が補償金を支払っているか確認する方法を解説しています。
【オンライン授業・行事配信に不可欠】学校・自治体がSARTRASに補償金を支払済か確認する方法
今日はSARTRAS(授業目的公衆送信保証金等管理協会)が発表した「申請済教育機関設置者・教育機関の名称」についてお話しします。SARTRASの仕組みやこの団体については、以下の動画をご覧下さい。【教員のための著作権解説】SARTRAS(授...

 

改正著作権法第35条の運用指針

SARTRASのサイトには「改正著作権法第35条の運用指針」も掲載されています。

改正著作権法35条運用指針について | 一般社団法人 授業目的公衆送信補償金等管理協会
教育現場における授業目的公衆送信補償金制度の利用に当たって、制度の教育現場での利用に際し利用者のガイドラインとなる様に、教育関係者、権利者、有識者で構成する「著作物の教育利用に関する関係者フォーラム」(教育著作権フォーラム)では、「改正著作...

 

第35条(学校の授業での著作物利用に関する例外規定)の範囲や、使用される用語の定義が詳細に記載されており、「第35条は学校で使えると聞いたが、実際にどの範囲の人を指すのか」「具体的にどんな内容を想定しているのか」といった疑問に応える内容になっています。

運用指針は2020年12月バージョンと特別活動バージョンの2種類があります。

 

著作権情報誌・副読本などの教材

SARTRASの「共通目的事業」のページでは、以下の教材を確認できます。

情報誌には授業や学校図書館で活用できる内容も含まれており、授業での著作物の扱い方や注意点が具体的に解説されています。

 

 

各権利者団体|著作物ごとの利用ルールを確認

権利者団体のサイトも活用する

各権利者団体のホームページには、それぞれの著作物の利用方法や許諾の取り方などが掲載されています。代表的な団体は以下のとおりです。

  • 音楽:JASRAC(日本音楽著作権協会)※日本最大の音楽著作権管理団体。他にも音楽を管理している協会があります
  • 新聞:新聞著作権管理協会
  • 写真:日本写真著作権協会
  • 美術:日本美術著作権連合

 

JASRACと学校での音楽利用

学校では音楽を使用する場面が特に多いことから、JASRACのサイトは参考になる情報が豊富に用意されています。

一般社団法人日本音楽著作権協会 JASRAC
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、音楽の著作権を管理する団体です。音楽の利用者へライセンスを行い、著作権者へ使用料を分配しています。ゆたかな創造あふれる未来を音楽クリエイターとともにめざしていきます。

 

「利用者」向けのページ内にある「学校など教育機関での音楽利用」では、以下の内容が確認できます。

  • 第35条に関する説明(わかりやすい表現でまとめられています)
  • 授業目的公衆送信補償金制度(SARTRAS)と運用指針の解説
  • 文化祭・演奏会などの行事での申請方法
  • ホームページへの掲載に関する手続き

さらに「こんな時の手続きは?」という行事別の一覧では、入学式・卒業式・文化祭など具体的な場面ごとに、手続きの要否が確認できます。
たとえば、卒業式でCDをコピーしてBGMとして使用する場合は「授業にあたるため手続き不要」と明記されていますが、記念DVDや文集への使用については手続きが必要とされています。

 

【教員の役割別に紹介】学校行事での著作権ルール解説|卒業式の歌詞・BGMから動画配信まで」では、学校行事(入学式や卒業式などの儀式的行事)での著作権ルールについて、教員の役割別に解説しました。
【教員の役割別に紹介】学校行事での著作権ルール解説|卒業式の歌詞・BGMから動画配信まで
卒業式の式次第や卒業文集における歌詞使用だけでなく、BGMのCDコピーや合唱、式の録画利用まで、学校行事での著作権ルールを徹底解説。安心して活用するためのポイントをお伝えします。

 

JASRACパーク・JASRAC著作権アカデミー

JASRACパーク」は子ども向けコンテンツとして位置づけられていますが、大人が学ぶ上でも参考になる内容が多く含まれています。YouTube・漫画・サイト・新聞など、様々な著作物に関する情報が掲載されています。

また「JASRAC著作権アカデミー」には、学校向けに無料で講師を派遣する出張講座「ラーニングスクエア」があります。子ども向けの出前授業と、教員向けの研修のどちらにも対応しており、講師料・交通費ともに無料で依頼できます。
さらに大学等を対象とした寄付講座「JASRACキャンパス」も用意されています。

 

費用ゼロで著作権教育!JASRAC講座で児童生徒と学校教職員をバックアップ」の動画では、JASRACラーニングスクエアの活用方法や申し込み方法などについてお話しています。
児童生徒と教職員を対象にした著作権教育!JASRACラーニングスクエアの活用法と実例
「出張講座JASRACラーニングスクエア」は、児童生徒向けの著作権教育から教職員研修まで幅広く対応!講座の魅力や実施例、費用負担なしで利用できるポイントを詳しく解説します。学校全体で著作権の理解を深めるチャンスをお見逃しなく。

 

 

まとめ

教職員が著作権を学ぶ際に活用できる主な情報源は、以下の4つです。

  1. 文化庁:立法府として最も正確で最新の情報を発信。毎年度更新される「著作権テキスト」や教職員向け講習会を活用できる。
  2. CRIC(著作権情報センター):「学校教育と著作権」Q&Aが実務的で使いやすい。唯一の電話相談室あり。無料の研修・出前授業の申し込み窓口もある。
  3. SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会):自校の補償金支払い状況を確認できる。第35条の運用指針が詳細に掲載されている。
  4. 各権利者団体(JASRAC等):著作物の種類ごとの利用ルールや許諾手続きを確認できる。JASRACには行事別の具体的な手続き案内や無料出張講座がある。

著作権に関する情報はウェブ上に数多く存在します。大切なのは「どの情報がどこにあるか」を把握しておくこと。疑問が生じたとき、必要な情報に素早くアクセスできる力が、教職員の実務を支える確かな基盤になります。

 

この記事は、動画「著作権で困った教員必見!公式サイト4つの使い方【文化庁・CRIC・SARTRAS・JASRAC】」をもとに作成しました。

学校における「著作権」の正しい理解と実践のために
著作権に関する研修・講習・授業を通じて、学校現場での対応についてお伝えしています。
これまでの研修例には、先生向け研修生徒向け授業司書向け研修などがあり、幅広いニーズに対応しています。

研修のご依頼・ご相談は
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その他のご相談などは
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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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