学校の動画をネットに公開するときの音楽著作権申請【J-WID・J-TAKTの使い方】

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学校行事の動画をインターネットに公開するとき、使っている音楽の著作権申請は必要でしょうか。「授業で使っているのだからいいのでは?」と思われる先生も多いのですが、ネット上への公開には、授業での利用とは別のルールが適用されます。

この記事では、申請が必要かどうかの見極め方、曲の管理者を調べる方法、そして実際の申請手順と料金の目安を3ステップで解説します。

 

 

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ネット公開の音楽と「授業での利用」はルールが違う

著作権法第35条が適用されるのは「授業の範囲内」

先生方が授業で音楽をコピーしたり、データを配付したりする行為は、著作権法第35条(授業の過程での複製等を認める規定)に基づき、原則として著作権者の許諾なく行えます。音楽科の授業に限らず、学活や行事の準備など、「授業の過程」に含まれる利用が対象です。

しかし、その行事の動画をインターネット上に公開する場合は、話が変わります。

 

ネット公開は「公衆送信」にあたる

動画をインターネット上に掲載することを、著作権法では公衆送信と呼びます。授業で使う場合と異なり、公衆送信には別途の手続きが必要になる場合があります。特に、不特定多数が視聴できる状態に置く場合には著作権者への申請が、また授業利用のために公衆送信を行う場合は授業目的公衆送信補償金の支払いが求められることがあります。

▶ 動画では1:37〜で「授業の範囲」と「公衆送信」の違いを詳しく解説しています

 

▼授業目的公衆送信補償金制度については以下で解説しています。

SARTRASとは?オンライン授業と著作権の例外を支える制度
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【先生向け】120円で授業が変わる!オンライン授業の著作権、もう迷わない「授業目的公衆送信補償金制度」とは
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ステップ1:申請が必要かどうかを確認する

YouTubeに公開する場合

YouTubeは、運営会社(Google)がJASRACなどの権利管理団体と包括的な契約を結んでいます。そのため、JASRACが管理する楽曲については、YouTubeに動画を投稿する場合に教員が個別に申請をしなくても公開できるケースが多いです。

ただし、JASRACが管理していない楽曲はこの対象外となります。
また、市販のCDなどの音源をそのまま使用している場合は、著作隣接権(レコード会社等の権利)の手続きが別途必要になる可能性があります。

 

学校のホームページに直接掲載する場合

学校のウェブサイトは、YouTubeのように権利者と契約を結んでいるわけではありません。そのため、学校側が直接、JASRACなどの権利管理団体へ申請する必要があります

公開先個別申請の要否
YouTube原則不要(YouTubeが権利者と包括契約)
学校のホームページ学校側の申請が必要

▶ 動画では1:56〜でYouTubeと学校ホームページの違いを解説しています

 

▼YouTube利用については次の記事もご覧ください。

YouTubeを授業でダウンロードして使っていい?著作権と利用規約の両面から解説
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ステップ2:曲の管理者をJ-WIDで調べる

申請が必要とわかったら、次はその曲を誰が管理しているかを確認します。使うのは、J-WID(ジェイウィッド)という楽曲データベースの検索サービスです。

検索結果の中で「配信」の項目に丸(○)がついていれば、その曲を管理している団体(JASRACなど)に申請できることを示しています。まずはここで権利管理の状況を確認しましょう。

▶ 動画では3:01〜でJ-WIDの使い方を解説しています

 

 

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ステップ3:J-TAKTでオンライン申請する

権利管理団体が確認できたら、J-TAKT(ジェイタクト)というJASRACのオンライン申請窓口から手続きを進めます。

 

申請料金の目安

料金は、営利・非営利の別、公開期間、対象者などによって変わります。学校のサイトは非営利にあたるため、比較的低い料金で申請できる場合があります。

  • 5日以内の短期掲載:最低1,000円程度からのケースあり
  • 1ヶ月単位の掲載:5,000円程度から設定されているケースあり

インターネット上で公開期間や曲数などを入力すると、自動で料金が算出されます。支払いはコンビニでも対応していることがありますので、申請のハードルはそれほど高くないと言えるでしょう。

なお、申請で設定した公開期間が終了したら、動画を速やかに削除することが必要です。

▶ 動画では3:44〜でJ-TAKTの料金計算の仕組みを解説しています

 

 

正しい手続きが、子どもたちの活動を守る

申請が必要だと知らずに動画を公開してしまうことと、知っていてもやり方がわからないから諦めてしまうこと、どちらも残念な結果につながります。重要なのは、「ネット公開には授業とは違うルールがある」と認識した上で、正しい手続きを踏むことです。

それは、子どもたちの素晴らしい活動を広く知ってもらうための、権利者へのリスペクトでもあります。まずは使いたい曲をJ-WIDで調べることから始めてみてください。

 

 

よくある質問

Q. 授業目的公衆送信補償金制度(SARTRAS)があれば、学校ホームページへの動画掲載も許諾不要ですか?

A. この補償金制度は授業の過程での利用を対象としたものです。たとえば、学校行事の動画を保護者・協力者等に限定してインターネット配信する場合は、SARTRASへの補償金支払いを条件として許諾不要で行える可能性があります。一方、誰でも閲覧できる状態での学校ホームページへの一般公開は、授業の過程の範囲を超えると考えられるため、別途権利者への申請が必要になると考えられます。不明な場合はJASRACに直接確認されることをおすすめします。

Q. YouTubeに公開する場合は、本当に申請しなくていいですか?

A. JASRACが管理する楽曲の著作権については、YouTubeと包括契約があるため個別申請が不要なケースが多いです。ただし、市販のCDの音源を使っている場合はレコード会社等の著作隣接権が別途問題になる可能性があります。

Q. 著作者の死後70年を超えた曲であれば申請は不要ですか?

A. 著作権の保護期間が満了した楽曲(著作者の死後70年超が目安)については、著作権の手続きが不要になります。ただし市販CDなどの音源を使用する場合は、レコード会社等の著作隣接権が残っている可能性があるため、音源の権利についても確認が必要です。

 


この記事は、動画「学校の動画をネットに公開するときの音楽著作権申請【3ステップで解説】」をもとに作成しました。

参考情報

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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