今日は子ども達がやってしまいがちな著作権違反についてお話しします。
子どもにとっての教員はとても身近な模範的な大人です。先生がすることに憧れたり真似たりしてくれます。
そんな中で著作権という切り口で見ると、学校の中と外では著作権のルールが異なるので、子どもの見本にならない場合があります。
学校で見たこと・先生がやっていることを、子どもたちは「良いこと」として外で行ってしまいそうです。
著作権について、そこは非常に気をつけなければならない部分です。
この動画で次の内容を解説します。
▶子どもに見習ってほしくない教員の著作権の扱い方
▶子どもが悪気なくやってしまっている著作権違反とは?
▶教員の目の届かないところで子どもがやりがちな著作権違反(保護者の方が指導が重要となる場合)
SNSのアイコンでやりがちな著作権違反
Twitter・Facebook・LINEなどにあるアイコン。
アイコンとは丸の中にある自分の写真・自分を示す写真のことです。
このアイコンで著作権違反をしてしまう子どもが多いです。
例えばキャラクターや有名人や芸能人、有名な企業などのロゴ。こういったものはアイコンにしてはいけません。
「好きだというものを所有したい」「それをいろんな人に見てほしい」という気持ちはよくわかります。
例えば私が子どもの頃、90年代はアイドルやキャラクターの切り抜きを持っていたり、それをスクラップブックに綴じてみたり、透明な下じきに挟んでみたり。それから今でも共通するのは、アイドルやキャラクターのグッズを持ったりCDやDVDを買う・持つということもあります。そしてキーホルダー・ラミネートカード・ブロマイドなんていうのも昔はありましたね。
そういったものを持つ、持ちたい、いつもそばにいたい。そして、それが好きだということを周りに知らせたいというその気持ちはよく分かります。しかしアイコンはダメです。
芸能人の写真・有名なロゴをアイコンに使ってはいけない理由
では、何が違うのでしょうか?
アイコンの場合は、そのアイコンを誰でも見ることができてしまいます。
キーホルダーやスクラップブックは自分のものだけとして、自分の知っている人・限られた人の中だけで見ることができますけれども、アイコンの場合は不特定多数の人が見ることができますので、有名人やキャラクターをアイコンにしないというのが大事です。
解決策としてはフリー画像があります。
著作権フリー、かつ、そういったアイコンに使っていいという注意書きがきちんとあるもの。それを選んでアイコンにしてもいいでしょう。
また自分で絵を描いたりするといった、自分で作るというのも良いでしょう。
肖像権は有名人・芸能人だけのもの?
それから間違いがちなのは写真についてです。
写真の著作権は撮った人にあります。その写真を使っていいかどうかは撮った人に許可を取る必要がありますので、自分が撮った写真なら使っていいのです。
しかし気をつけなければいけないのは、撮られた側の「肖像権」というものです。
肖像権は有名人・芸能人などで言われがちですけれども、一般の人つまり私にもあなたにも肖像権があります。撮られた人が「それを使っていい」と認めなければいけないということです。
アイコンを設定するときに気をつけてみてください。
また子どものアイコンでそういったものを見た場合には、変えるように促した方が良いかと思います。
実際に、人が撮った写真をアイコンにしたことでその撮った写真家がアイコンにした人を訴えたという例もありますので気をつけましょう。
注意!文化祭・運動会・技術美術の授業での作品
学校では様々な作品を作ります。例えば、
●図画工作・美術で作る作品。
●技術や家庭科での作品
●パワーポイントなどの資料
●レポート・模造紙などでの作品
●文化祭や運動会での Tシャツや看板・パンフレット
こういったものに既存のキャラクターを描く。その描くこと自体は問題ではありません。校内の授業で使う分には構いません。これは教員も子ども達も同じです。既存のキャラクターの看板を描いたり、キャラクターをパワーポイントの資料に載せたりということは、授業の中では行っていいのです。
しかし、授業外では許可が必要であり許可がない場合は使ってはいけません。
例えば図工で作った作品について。
学校の中・授業の中では良いですが、コンクールに出す場合・外に出す場合には、このキャラクターは載せることはできないのです。
同じように文化祭や運動会などTシャツにキャラクターを描く・看板にキャラクターを描く行為について。
その授業の中・学校の中では良いのですが、それをホームページにしたり、広報誌に載せて不特定多数の人が見られるようにしたりというのは許諾が必要であり、許可を取っていない場合はNGとなります。
このように、作った後のことを考えるとキャラクターを使うのは避けておいたほうが良いのではないかなと思います。
授業の中では使っていいです。しかし、それがどのように外に出ていくかということをぜひ考えてみてください。
教員が音楽・YouTubeを授業で使う時の注意点
学校でつくるスライドショーや作品・動画作りなどでBGM(音楽)を付ける場合があると思います。
もちろん自分が好きな曲・人気がある曲を付けたいと思うのはやまやまですけれども、これも授業の中ではOKです。
もしその音楽をYouTubeから取ってくる場合はSARTRAS(授業目的公衆送信)といったところに自分の学校・自治体が登録をしているかということを確認しなければいけません。条件などもきちんと把握をしておきましょう。
音楽を使う場合には、著作権フリーの音楽やその音楽そのものを買えばいいのです。
買う方法はCDはもちろんのこと、配信でも買うことができます。違法ダウンロードはもちろんダメです。配信の曲を買う場合、1曲300円前後で買うことができますので、そういった仕組みを利用して使ってみてください。
まとめ:子供が陥りがちな著作権トラブル
今日話した例は全て、著作者に許諾(許可)を取っていれば使うことはできます。使う内容や範囲などを考えながら作品を使ってください。
また違反を見つけてしまった場合には「ダメ」と頭ごなしに言うのではなく、「こうだったらいいんだよ」「なぜダメなのか」ということを、ぜひ子どもたちに話すチャンスにしてください。
「先生が陥りがちな著作権トラブル(授業と部活・職員会議・研究会の違いとは)」
「保護者が陥りがちな著作権トラブル(オンライン授業・行事配信・子どもの作品)」
この記事の内容は動画と同じです。
動画「子供がやりがちな著作権違反」も是非ご覧ください。
コメント