教員が著作権についてよく分からない、これは当たり前のことです。
学習指導要領に知的財産権(著作権)が載ったのは、平成20年3月の告示の学習指導要領からです。
それまでは小・中・高校の学習指導要領にありませんでしたので、その時に学んだ人は著作権について知らなくて当然です。
大学でも著作権についてしっかり学ぶのは法律を学んでいる学生たちであって、教員になる人で法律をしっかり学ぶということはあまりないと思います。
しかし最近では著作権が学習指導要領に載ったり、教員採用試験で出題されたりということがあります。
教員も無関係ではいられませんので、ぜひ今日「やってしまいがちのこと」の中で学んでいただければと思います。
この動画で次の内容を解説します。
▶著作権違反を考える。何がいいのか?何がダメなのか?ということ
▶教員がやってしまいがちな著作権違反の行為…つまり学校の中と外で著作権は何が違うのか?
SNSのアイコンでやりがちな著作権違反
これは「子供が陥りがちな著作権トラブル(SNSのアイコン・授業で作った作品・BGM)」の動画の中でお話をしています。詳しくはそちらをご覧下さい。
教員もSNSやLINEをする場合、アイコンにキャラクターや芸能人を使っていないでしょうか。
また文化祭や運動会でTシャツ・看板・パンフレットなどに既存のキャラクターを描いている…そこまではいいのですが、授業以外・学校以外でそれをしてしまうと、またそれを見られるようにしてしまうと、それは違反になってしまいます。また音楽も同様です。
学校の授業の中では著作物を使うときに許可を取らなくてもいいというルールがあります。
けれども、そのルールに守られ過ぎてしまっていて、著作権そのものの理解や『著作物を使うときには許可を取る』という原則、これを疎かにしてしまわないようにしましょう。
またアイコンをキャラクターや芸能人などにしてしまっている場合、作品や音楽を授業以外で使ってしまっている場合、子どもにそういった指導をしなければいけませんので、ぜひまずは先生方から気をつけてみてください。
資料の著作権:授業と職員会議・研究会の違い
校内でも著作物を自由に使えるのは「授業」だけです。
授業の定義は「教育機関の管理下で、教育を担当する者が学習者に実施する教育活動」とあります。
つまり教員が生徒に授業をするときには著作物を自由に使うことができます。
しかしそれ以外…学校の中だからといって、授業でない場合には気をつけなければいけません。
例えば職員会議、こういった場で資料を配ったりするときには、著作物の許可を得る必要があります。研究会などで授業でのパワーポイント、こういったものを外に出す時には気をつけましょう。
引用の範囲もきちんと考えたり、既存のキャラクターが描かれているものをそのまま職員会議や外部の研究会・公開授業などで公開するといったことがないように気をつけたいものです。
教員は学校の中で著作権を考えなくていいと思われがちですけれども、授業の中だけです。授業以外の学校の活動では気をつけましょう。
音楽の著作権:授業と部活の違い
特に部活動…音楽系の部活動は気をつけましょう。
楽譜のコピーについて
例えば楽譜のコピー。
授業で使う場合には楽譜のコピーは許可されていますけれども、学校外のコンクールなどでは「楽譜は人数分、買わなければならない」というふうに決められているコンクールもあります。場合によっては「人数分、買った」という領収書を見せなければいけないといったものもあります。
授業と校外に出る部活動ではルールが違いますので気をつけましょう。
楽譜の改変について
また同じく「楽譜の改変」についても同じです。
「演奏時間を考えて、繰り返しをなしにする」とか「パートに人がいないので楽器を変える…例えばホルンをテナーサックスに変える」といったこと、それから「ディヴィジ(音が分かれているところ)を人数が足りないので音を省こうといった場合」これは楽譜の改変にあたります。
授業では行っていいのですが、外部のコンクールの場合は作った人に許諾が必要です。許諾を得ていない場合は違反になってしまいます。
コンクールによってはその許諾とっていない場合「放送や配信ができない」という例。また受賞が取り消しをされてしまうといった例もありますので、非常に気をつけたいところです。
授業と学校外ではルールが違います。気を付けて下さい。
まとめ:先生がやりがちな著作権違反(授業と部活・職員会議・研究会の違いとは)
著作物を作った人に許可を得ていれば構いません。また死後70年たっていれば自由に使うことができます。これは学校内外に違いありません。
自分が関わる著作物。学校の中と外。また学校の中でも授業と授業以外。こういったところの線引き、きちんとをつけておくといいと思います。気をつけましょう。
「子供がやりがちな著作権違反(SNSのアイコン・授業で作った作品・BGM)」
「保護者が陥りがちな著作権トラブル(オンライン授業・行事配信・子どもの作品)」
この記事の内容は動画と同じです。
動画「先生がやりがちな著作権違反(授業と部活・職員会議・研究会の違いとは)」も是非ご覧ください。
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