2022年7月に、東京学芸大学学校図書館専門委員会司書部会「みんなで学ぼう!学校司書講座2022」において、学校司書さん向けに講演を行いました。オンライン開催が奏功して全国から140名も参加してくださいました。
対象は学校司書さん。
そして、授業で本と音楽を提示する「音楽ブックトーク」実践発表とのコラボレーションでした。
双方向型のオンライン研修を始めました
今回初めてAhaSlides(アハスライド)を使いました。
話の途中で、アンケートで言葉を集めたり、選択肢から選んでもらったりしながら、オンラインでも双方向のコミュニケーションを大切にしました。
クイズ形式では結果が表示されない…というトラブルがありましたが、ICT機器やアプリを使うのに失敗はつきもの。すぐに改善策をいたします。(すでに解決済みです!)
はじめに「「著作権」からイメージする言葉」を1人3つ回答していただきました。
のべ231個の回答結果です。
他に
「学校の中で著作権に困ったら、誰に聞きますか?」という質問では、
「詳しそうな人」「ICT担当の教員」「Google先生」に票が集まり、「音楽科の教員」はゼロ…
まだまだこれからです。
内容は「著作権の基礎」「学校での著作権」「オンライン授業」に加えて、「学校司書ができること」もお伝えしました。
教員や子どもの依頼であれば、35条の中で同じように著作物を扱えるという言葉に自信を持てた方も多かったようです。
研究授業・研究会は授業じゃないから著作権に注意!
「音楽ブックトーク」では、本・音楽・視聴覚資料をミックスしながら授業をするという実践で、たくさんの本や音楽が紹介されました。
しかし、講師から1冊の表紙も中身も示されず、元の音楽も聴くことがありませんでした。
「見せてほしい」「聴かせて~」と思った方もいたことでしょう。私が一番そう思っていました。
なぜ示せないか…この講演が例外でないからです。
本は読みたいし、音楽は聴きたい。
でも、学校でも、教員・子どもでも、授業でもないので、少なくとも35条には該当しません。すべての許諾を得ることは大変なことなので、今回はこのような形になりました。本・音楽のリストは後で限定公開されるそうです。
実践の内容はもちろん、発表する際の著作物の扱いも参加者には感じていただけたと思います。
学校司書は学校著作権のキーパーソンです
そして、「学校司書さんは学校著作権のキーパーソン」も強調しました。
学校の中で著作権に困った時に「学校司書さんに聞いてみよう」となるのが理想です。
学校の子どもや教員を知っていて、学校の機材や環境・文化・課題を知っているからです。
不安視される声もあがりましたが、「授業か授業でないか」を判断してもらうだけでも多くの教員が助かります。また「わからない」「判断ができない」となった時に、調べ方を知っているのも学校司書さんです。
学校での活躍に期待します!
毎回、学校司書向けの講演で感心するのは「質問力」です。
知識や意識がなければ、質問すら思いつきません。
講話中のチャットはもちろん、事前の質問もカテゴリごとに整理して話さなければいけなくなるほど、たくさん集まりました。本当にありがたいことです。
研修参加者の感想の紹介
参加者からの感想(一部・抜粋)
・著作権について知ることは、司書としての自分の仕事を守ることだと思っていましたが、子供達を守ることにも繋がっていくという視点が新しく私の中にできました。
・いままでも著作権のことについてはいろいろな講座を受けてきましたが、今回の講座が一番具体的で、学校司書の知りたいことに答えていただけたと思います。
・原口先生のおはなしは、わかりにくいと感じていた著作権について、要点をわかりやすく伝えてくださっていて、今まで自分が著作権のどういったところに苦手意識をもっていたかが分かり、すっきりしました。先生のお人柄も伝わり、今後著作権に関して積極的に向き合っていく元気をいただいた気がします。
研修を企画した担当者の感想紹介
企画・依頼をしたご担当者の感想(一部・抜粋)
研修を依頼した決め手
・「学校現場を知り、学校司書の仕事や立場をよくご存知だったから。」
感想
・「専門家の方はたくさんいらっしゃるのでしょうが、参加者からは、講師の原口先生の語り口や、その内容のわかりやすさが高評価でした。」
・勧めたい相手は「子ども」「教員」「教育委員会」「保護者」「学校図書館関係者」と身に余るご回答いただきました。
教員に話す研修の際は「学校司書さんに聞こう」という話を広めていきます。
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