「ネットの絵、使っていい?」子供の質問への答え方

児童生徒・保護者向け(授業作り・指導案)
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先生のための生成AI活用講座
授業や校務での実践的な生成AI活用法について、コピペしてすぐに使えるプロンプトやリスク対策も含めて、教職員に必要な情報を紹介しています。

先生のための生成AI活用講座
授業や校務で使える実践的な生成AI活用法を紹介。コピペして使えるプロンプトやリスク対策も含めて、生成AI初心者でも生成AIがすぐに使えるよう分かりやすく解説しています。

生成AIで作った画像や、インターネット上のイラストを子供が使いたいと言ってきたとき、先生方はどう答えていますか。中学校の授業でも画像生成AIやネットのイラストを使う場面が増えており、子供から「生成AIで作った画像やネットのイラストを使っていいですか」と聞かれてドキッとした経験を持つ先生も多いのではないでしょうか。

この記事では、文部科学省のガイドラインや文化庁の考え方をもとに、生成AI画像とネットのイラストの著作権について整理します。

生成AIが自動で作成した画像とは、原則として著作権が発生しないと考えられているものです。著作権法上の著作物は「人が創作的に関与したもの」であることが前提とされているため、人が創作的に関与していない生成物は著作物として認められないという考え方によります。

ただし、誰のものでもないからといって完全に安心できるわけではなく、既存のイラストと酷似した生成物については著作権侵害になる可能性がある点に注意が必要です。

 

 

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生成AIで作った画像に著作権はあるのか

文化庁の考え方によると、生成AIが自動で作成した画像には原則として著作権は発生しないとされています。研修の場で先生方からよく聞かれるのが、この「生成AIで作った画像は誰のものになるのか」という質問です。

著作権法上の著作物は、人が創作的に関与して作るものであることが前提とされています。人が創作的に関与していない、人が作っていないものは著作物とは認められないという考え方です。ですから、生徒が生成AIで作った画像も、基本的には誰のものでもなく、著作権が発生しないということになります。

しかし、誰のものでもないからといって、完全に安心できるわけではありません。文化庁の考え方では、既存のイラストとそっくりな画像が生成された場合には、著作権侵害になる可能性があるとされています。生成AIが学習した元のデータを真似したような画像になっていないか、十分に確認することが大切です。

特に子供が他の人のイラストを生成AIで真似して作らせたという場合は、トラブルになることがあります。授業では「生成AIが作ったから何でも自由に使っていい」わけではないことを、子供たちに伝えておくとよいでしょう。

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ネットの絵を使いたいと言われたときのルール(著作権法第35条)

子供がネット上の絵をスライドなどに使いたいと言ってきたときは、著作権法の原則を思い出すことが大切です。その原則とは、他人の著作物を使うときには許可を取るというものです。ただし、学校の授業の範囲内であれば例外となるルールがあります。それが著作権法第35条(学校その他の教育機関における、授業の過程での著作物の利用を認める規定)です。

著作権法第35条によって、授業の範囲で教員や子供たちが他の人の著作物をコピーして使うことが、必要と認められる限度において認められています。文部科学省のガイドラインでも、発表スライドにネットの絵を貼り付ける行為は、第35条の範囲であれば許諾なしで行えるとされています。

この例外は現場にとって心強いものですが、何でも自由に使えるわけではありません。授業で使う際に欠かせないのが、出所の明示、つまり出典を正しく書くということです。この出所の明示は、著作権法第35条にも定められている要件です。ネットの絵を使う場合は、どこから持ってきたか、出典・元の所在を書くように子供たちにアドバイスするとよいでしょう。

重要なのは、この第35条があくまで授業の範囲内を対象にしているという点です。授業以外の活動である学校ホームページなどに載せる場合は、第35条の対象外となります。第35条は、教員から子供・子供から教員というやり取りの中だけに認められる例外であり、そのような授業以外の目的で使う場合は、原則に則って許諾が必要になることも子供たちに伝えてみてはいかがでしょうか。

またこれ以外にも、ネット上のイラストを利用する際には、必ずウェブサイトの利用規約を確認することも大切なポイントです。

このあたりの線引きは、校内で「なぜOKなのか」を説明できるかどうかが問われる場面でもあります。研修先の先生方から実際に相談を受けた事例として、第35条の範囲を職員会議で共有しておくと、現場での判断がスムーズになったという声もよく聞きます。より詳しい研修のテーマは、著作権研修のテーマ一覧からご覧いただけます。個別のご相談はお問い合わせからどうぞ。

 

できること・できないこと(第35条の範囲)

場面第35条の対象か必要な対応
授業で使うスライドにネットの絵を貼る対象(授業の過程での利用)出所の明示が必要
授業で配布する教材にイラストを使う対象(授業の過程での利用)出所の明示が必要
学校ホームページにイラストを掲載する対象外(授業以外の利用)原則どおり許諾が必要
既存のイラストと酷似した生成AI画像を使う別問題(著作権侵害の可能性)酷似していないか確認

 

▼学校現場でイラスト・写真を使う時に気をつけたいこと

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学校で安全に生成AIを使うための道具選び

安全面やプライバシーのリスクを考えたとき、学校で生成AIを導入する場合にどのようなツールを使うべきか悩まれる先生も多いのではないでしょうか。

文部科学省のガイドラインでは、学校で生成AIを利用する場合は教育用アカウントを使用することが推奨されています。教育用アカウントとは、教育委員会や学校法人といった設置者が作成したアカウントのことです。

教育用アカウントの大きな特徴は、個人のアカウントと異なり、入力データや作成した画像が生成AIの追加学習に利用されないという契約になっている点です。この契約によって、子供たちが入力した個人情報や創作した作品が外部に漏洩するリスクを防ぐことができます。一方、通常の一般アカウントでは、入力したデータが生成AIの学習に使われてしまうことがあるため注意が必要です。

学校現場で安全に、かつ安心して生成AIを活用するためには、教育用アカウントを使うことがひとつの目安になるでしょう。

▶ 動画では4:50〜で、教育用アカウントについてさらに詳しく解説しています。

 

 

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まとめ

デジタル素材や生成AIと聞くと難しく感じるかもしれませんが、この記事でご紹介したルールの本質は、これまで使ってきた著作物への向き合い方と変わりません。紙の新聞のコピーや書籍の写真を授業で使うときも、私たちは同じ著作権法という枠組みで判断してきました。デジタルやAIの時代になっても、他の人の作品・創作物を尊重し、著作権法というルールを守って使うという姿勢は変わらないのです。

新しい技術だからといって、いたずらに恐れる必要はありません。ぜひこれまでの著作権の基本をベースに、子供たちに優しく教えていただければと思います。

 

 

よくある質問

Q. 生成AIで作った画像を、そのまま授業のスライドに使ってもいいですか?
A. 生成AIが自動で作成した画像には、原則として著作権は発生しないと考えられています。ただし、既存のイラストと酷似している場合は著作権侵害になる可能性があるため、元の作品を真似していないか確認したうえで利用することが大切です。

Q. ネットのイラストを授業で使うとき、著作権法第35条があれば何でも使えますか?
A. 第35条の範囲内であれば許諾なしで利用できるとされていますが、出所の明示は必要です。また第35条が対象とするのは授業の過程での利用に限られるため、学校ホームページへの掲載など授業以外の目的で使う場合は対象外となります。

Q. 学校で生成AIを使うとき、個人のアカウントを使ってもよいのでしょうか?
A. 文部科学省のガイドラインでは、入力データや生成物が追加学習に利用されない契約になっている教育用アカウントの使用が推奨されています。個人アカウントでは入力データが学習に使われることがあるため、注意が必要と考えられます。


著作権研修・出前授業のご案内

学校での著作権研修・出前授業について、詳しくはこちらをご覧ください。
▶ 著作権研修のテーマ一覧 → https://maruc.work/copyright-training-themes

この記事は、動画「「ネットの絵、使っていい?」に先生はどう答える?」をもとに作成しました。

「もっと体系的に学びたい」「校内で共有したい」という方へ
本記事の内容を含め、学校現場での著作権対応を体系的にお伝えする研修を行っています。
教育委員会・学校単位・研究会単位でのご依頼も受け付けています。これまでの研修例については、先生向け研修・生徒向け授業・司書向け研修をご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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