今日紹介するのは「著作権情報誌さあとらす」です。この冊子は、一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会(SARTRAS)が作成しています。
「著作権情報誌さあとらす」とは?
「著作権情報誌さあとらす」は、SARTRASのサイトで読むことができます。
SARTRASのウェブサイトで「著作権情報誌さあとらす」をPDF形式で閲覧できます。この情報誌は、初等中等教育の教員の方に向けて作られたもので、共通目的事業の自主事業として発行されています。
SARTRASのサイトには次のように書かれています。
共通目的事業の自主事業として、初中等教育の教員の方に向けた著作権情報誌を発行しています。著作権に親しみを持ってもらい、授業で様々な著作物を適切にご利用いただくため、本誌を制作いたしました。全ての初中等教育機関へ本冊子を送付しておりますので、ぜひご活用ください。
学校にすでに届いているかもしれません。ご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、このウェブサイト上でもPDFで読むことができます。
第2号の注目記事
ここでは、2024年3月に発刊された「著作権情報誌さあとらす」第2号を紹介します。
この冊子が郵送されてきたとき、表紙を見て驚きました。「え!?いらすとやさん!!」と思わず声が出てしまいました。
「いらすとや」のイラストを見たことがある方、使ったことがある方も多いと思いますが、この表紙には「いらすとや」の作者であるみふねたかしさんのインタビューが掲載されています。
みふねたかしさんは、私が著作権研修の際に必ず取り上げる方で、受講者に「いらすとやのイラストの著作権は誰にあると思いますか?」と質問するときに、必ず名前を出します。「みふねたかしさんという著作者がいて、著作権もみふねたかしさんにあるんですよ」と説明しています。そのみふねたかしさんがインタビューに答えています。
「どんな思いでイラストを描いているのだろうか?」と、著作者としての彼に非常に興味がありました。
以前にもNHK高校講座「情報Ⅰ(第3回ネット社会にも権利がある)」の中で、みふねたかしさんのインタビューを見る機会がありました。この番組は誰でも見ることができ、「NHK高校講座 情報Ⅰ(第3回ネット社会にも権利がある)」を検索してみてください。
第2号には、みふねたかしさんへのインタビュー以外にも、「親しもう!教育と著作権」という学校生活に関わる著作権をわかりやすく解説する連載や、「著作権授業へのチャレンジ!」という授業実践例、また「スマホと著作権」といった注目の連載があります。「著作権お悩み相談室」ではSARTRASに寄せられた質問に対する回答が掲載されており、「生成AIと著作権の今」について大学の先生が書いた記事もあります。
さらに、「SARTRAS会員6協議会の紹介」では、SARTRASに関わる協議会、つまり著作物を作る人々について詳しい内容が掲載されています。普段は目にすることのない情報なので、とても興味深く読みました。
「著作権情報誌さあとらす」は教員や学校司書さんに特にお勧めです。SARTRASの仕組みについて詳しく知りたい方は、私の動画「【教員のための著作権解説】SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)とは?」もぜひご覧ください。
教育現場での活用方法
「著作権情報誌さあとらす」は、教育現場で非常に役立つ情報が満載です。まず、教員や学校司書さんに特におすすめです。SARTRASの仕組みをまず知るところから始めてください。私のウェブにもSARTRASについて解説記事がありますので、ぜひご覧ください。
この情報誌には、子供たちが読んでも面白い内容も含まれています。みふねたかしさんのインタビューは、中学生以上の生徒にも興味を引く内容で、教材や調べ学習に使えそうです。ぜひ子供たちにも紹介してみてください。
また、「いらすとや」のイラストは多くの先生方がオンライン授業で活用しています。
「いらすとや」のサイトには学校に関する利用ルールが明記されており、「オンライン授業で利用できますか?」という質問に対して、「学校その他の教育機関については問題ございません。(著作権法第35条を参照)」と記載されています。
なお、著作権法第35条について詳しく知りたい方は、私の動画「【教員のための著作権解説】著作権法 第35条って何?」もご覧ください。
「著作権情報誌さあとらす」の制作や発信には、共通目的事業のお金が使われており、子供たちがオンライン授業を受けるためのお金が原資です。ぜひ積極的に活用してみてください。
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