「研修で著作権を学んだけれど、現場でこういう場合はどうなんだろう?」「もっと詳しく調べたいのに、どこを見ればいいかわからない」——そんな場面に出くわしたことはないでしょうか。
著作権の情報はウェブ上にたくさんあります。あとはそれにいかに早くたどり着けるか、そしてどこに何があるかを把握しておくことです。
この記事では、教員が著作権を学ぶための3つのルート(自学・校内研修・外部研修)と、ルートごとに使える具体的なリソースを整理します。
著作権を学ぶ前に——基本の確認
著作権は、何かを創り出した瞬間にその人に自動的に発生します。上手・下手、プロ・アマチュアは関係ありません。著作権法の原則は「作った人に許可を取る」こと。そして学校は、その原則の例外として、一定の条件を満たせば許諾なしに著作物を利用できます(著作権法第35条)。
この基本を踏まえた上で、「もっと詳しく知りたい」と感じたときに使えるリソースを紹介します。
著作権を学ぶ3つのルート
教員が著作権を学ぶ方法は、大きく次の3つに分けられます。
| ルート | 概要 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ① 自学 | 文化庁・CRIC・SARTRAS・権利者団体のウェブサイトで調べる | 「この場合はどうなの?」を自分で解決したい時 |
| ② 校内研修 | 外部講師を招いて校内で研修を実施する | 学校全体・学年・教科単位で理解を深めたい時 |
| ③ 外部研修 | 文化庁・CRIC・JASRACの講習会・セミナーに参加する | 体系的に・より深く学びたい時 |
ルート①自学——信頼できる4つのサイト
▶ 動画では1:55〜で各サイトを画面付きで詳しく解説しています
文化庁
著作権の最新・最正確な情報が集まるのが文化庁のウェブサイトです。著作権課が管轄する立法府のサイトとして、法改正の情報もここに反映されます。著作権法は毎年少しずつ改正されるため、最新版を確認する習慣が大切です。
教員が特に役立てられるページは次のとおりです。
- 著作権テキスト:毎年度発行・更新される、最も信頼性の高い入門テキスト
- 教材・映像資料:低学年向けから動画・Q&Aまで、授業で使えるコンテンツが揃う
- 教職員向け講習会・シンポジウム:オンライン視聴やYouTube後追い視聴も可能
- 学校における教育活動と著作権:学校に関わる著作権をまとめたページ
「著作権のことを早く・正しく知りたい」という場合はまず文化庁のウェブサイトをご覧ください。
▼上記コンテンツには以下のページからアクセスできます。
CRIC(著作権情報センター)
CRIC(公益社団法人著作権情報センター)は、著作権の専門的な情報提供・相談を行っている機関です。教員にとって特に役立つのは次のページです。
- 著作権Q&A「学校教育と著作権」:授業・行事・学校図書館・試験・引用・私的利用など、学校でよくある場面ごとにQ&A形式でまとめられています。「これってどうなの?」を自分で調べるのに最適なページです
- 著作権電話相談室:Q&Aを見ても解決しない場合、電話で直接相談できる唯一の窓口です
- 児童生徒向け映像資料「どうすりゃいいんだチョサクケン」:演劇・文化祭を前提に制作されたアニメ版・解説版の映像資料。指導やワークシートもあわせて使えます
専門家向けのセミナーも多くありますが、教員には「著作権Q&A」「相談室」の活用がおすすめです。
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SARTRAS(サートラス)
SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)は、学校での公衆送信に関わる補償金制度を管理している団体です。教員が使えるページは次のとおりです。
- 申請済み教育機関の名称検索:自分の学校・自治体が補償金を支払っているかどうかを、誰でもいつでも確認できます
- 改正著作権法第35条の運用指針:第35条の範囲・言葉の定義・具体的な想定場面が詳しく解説されています。「これはどこまで許されるのか」を深く知りたい場合はこの運用指針が頼りになります(2種類あり:基本版と特別活動版)
- 著作権情報誌「さあとらす」:PDF版・バックナンバーあり。学校現場に役立つ具体的な著作物の使い方が掲載されています
- 副読本「著作権なるほど!副読本」:教員・子供向けそれぞれの副読本。授業や学校図書館に置くのにも適しています
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各権利者団体——JASRACを中心に
権利者団体もそれぞれに、著作権の注意喚起・Q&A・学習教材を公開しています。
学校で最も関わりが多い音楽著作物については、JASRAC(日本音楽著作権協会)の「学校で音楽を使うときには」ページが特に役立ちます。入学式・卒業式・文化祭・部活・合唱など、行事別に具体的な手続きの要否が記載されています。
また、JASRAC内の「JASRACパーク」は子供向けコンテンツが充実していますが、大人にも十分役立つ学習コンテンツです。
音楽以外の主な権利者団体としては、新聞著作権管理協会・日本写真著作権協会・日本美術著作権連合などがあります。それぞれの著作物の使い方・許諾の取り方はこれらの団体のウェブサイトで確認できます。
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ルート②校内研修——外部講師を無料で招く
自学で調べるだけでなく、学校全体・学年・教科単位で著作権の理解を深めたい場合は、校内研修として外部講師を招く方法があります。
CRICのリクエストセミナー CRICでは「学ぼう!使おう!学校での著作権活用セミナー」として、学校や教育委員会向けに講師を無料で派遣しています。講師料・交通費ともに無料です。オンライン・対面いずれにも対応しており、メールで申し込みができます。
JASRACラーニングスクエア JASRACでも、学校向けの出前授業・教員向け研修に講師を無料で派遣しています。講師料・交通費ともに無料です。子供向け・教員向けのどちらにも対応しています。
校内研修のテーマ設計や進め方についてご相談がある場合は、研修テーマの一覧もご参照ください。
ルート③外部研修——参加できる講習会・セミナー
より体系的に・深く学びたい場合は、外部の講習会やセミナーへの参加も有効な方法です。
- 文化庁の教職員向け著作権講習会:毎年実施。オンライン視聴・YouTube後追い視聴も可能で、忙しい教員でも参加しやすい形式が増えています
- CRICのセミナー:法律専門家向けの内容が中心ですが、学校向けの著作権教育関連の情報も得られます
- JASRACの著作権アカデミー:大学向けの寄付講座「JASRACキャンパス」もあり、より学術的な学びを深めたい方に向いています
外部研修の機会を活かしながら、学んだ内容を校内に広める役割を担うことが、学校全体の著作権リテラシー向上につながります。
こうした著作権の学び方を、校内研修として体系的に扱いたい場合は、研修テーマの一覧もご覧ください。
まとめ:「どこに何があるか」を知ることが最初の一歩
著作権の情報はウェブ上にたくさんあります。大切なのは、「どういった情報が欲しいから、どこのサイトのどこを見る」という判断ができるようになることです。
- まず正確な情報を知りたい → 文化庁の著作権テキスト・ウェブサイト
- 具体的なケースを調べたい → CRICの著作権Q&A「学校教育と著作権」
- 第35条の範囲を詳しく知りたい → SARTRASの運用指針
- 学校で音楽を使う際の手続きを知りたい → JASRACの「学校で音楽を使うときには」
- 校内研修に講師を招きたい → CRICのリクエストセミナー・JASRACラーニングスクエア(いずれも無料)
- 外部で体系的に学びたい → 文化庁の教職員向け講習会
情報にいかに早くたどり着けるか——これがご自身の学びを深め、子供たちや周りの先生方に広めていく力になります。いたずらに恐れるのではなく、信頼できるリソースを使いながら、著作権を現場で活かしていきましょう。
著作権研修・出前授業のご依頼を承っています。校内研修のテーマや進め方についてのご相談も含め、テーマ例や過去の事例は研修テーマ一覧をご覧ください。お問い合わせはこちらからどうぞ。
この記事は、動画「著作権、どこで学べばいい?教員向け信頼できる4つのサイトと無料研修の使い方】」をもとに作成しました。


