YouTubeのダウンロードは違法?授業で使う前に確認したい3つのこと

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授業で使う動画を毎回オンラインで再生すると、通信が途中で途切れてしまうことがあります。だからこそ「あらかじめパソコンにダウンロードして保存しておきたい」という相談を、研修先でよくいただきます。

この記事では、YouTubeの動画を保存して授業で使うことについて、教員が特に迷いやすい3つのポイント(公式動画かどうか・著作権法と利用規約の関係・授業での安全な使い方)を整理します。授業をスムーズに進めたいという工夫を、法律とルールの両方から安心して形にするための内容です。

YouTubeの動画をダウンロードして保存する行為は、著作権法とYouTubeの利用規約という、別々の2つのルールに関わります。

著作権法第30条(私的使用のための複製を認める規定)は、違法にアップロードされたものと知りながら音楽や映像をダウンロードする場合をこの例外から外しており、そもそも仕事での利用には及びません。公式の動画であっても、YouTubeの利用規約は特別なダウンロードボタン等がある場合を除いてダウンロードを原則として禁止しているため、「授業だから大丈夫」と一括りにはできないのです。

 

 

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そもそも「学校の授業だから大丈夫」ではないのはなぜですか?

重要なのは、著作権法の話とサービスのルールの話は、まったくの別物だという点です。

学校現場ではYouTubeを活用した授業づくりが進んでいて、私自身も教員時代によく使っていました。一方で、動画の保存や扱い方に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。学校著作権ナビゲーターとして質問をいただくなかでも、YouTubeに関連することは特によく上がってきます。

少し著作権に詳しい方ほど、「学校の授業だから」「SARTRASへ補償金を支払っているのだから、許可を取らなくてもよいだろう」と考えていらっしゃることがあります。SARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)に支払う補償金の有無にかかわらず、次にお話しする利用規約の問題が残ります。

法律の面で説明がついても、サービスが定めている利用規約に反してしまう可能性がある。ここからは、教員が特に迷いやすいポイントを3つに絞ってお話しします。

 

 

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ポイント1:その動画は公式チャンネルのものですか?(著作権法第30条)

まず確認したいのは、ダウンロードしようとしている動画が公式のものかどうかです。 ここをあやふやにしたままに使ってしまうと、思わぬトラブルにつながる可能性があります。

学校の授業では、著作権法第35条(学校その他の教育機関において、授業の過程で著作物を利用できることを定めた規定)により、一定の条件のもとで著作物を許諾なく使える場合があります。

しかし、インターネット上に違法にアップロードされた動画をダウンロードすることは、学校の授業であっても認められにくいと考えられます。違法にアップロードされたものと知りながら音楽や映像をダウンロードする行為は、私的使用の範囲であっても著作権法第30条の例外から外されているためです(第30条第1項第3号)。

なお第30条は仕事での利用には及ばないため、授業のためのダウンロードは第35条で考えることになりますが、その場合も「著作権者の利益を不当に害しない」という要件を満たすかどうかが問われます。

つまり、ダウンロードを検討する際のスタートラインは、その動画が権利者によって正しく投稿された公式のものかを確かめることになります。

▶ 動画では1:36〜で詳しく解説しています

 

公式チャンネルかどうかを見分ける4つの目印

たくさんある動画のなかから、公式かどうかをどうやって見分ければよいのでしょうか。おすすめの確認方法は、チャンネル名に注目することです。

確認する場所見るポイント
チャンネル名の横灰色や黒の「確認済み」のチェックマーク。YouTube公式が本人・公式組織だと確認したマークです
音楽の動画の場合公式アーティストチャンネルを表す音符(8分音符)のマーク
概要欄投稿者が企業・自治体・本人であるかどうか
元のウェブサイト通常のウェブサイトに「YouTubeチャンネルはこちら」というリンクや案内があり、それと一致しているか

こうしたマークがついているチャンネルは、公式である可能性が非常に高いと判断することができます。マークがない場合は、概要欄と公式サイトからのリンクを突き合わせて確認するとよいでしょう。私が教員のときも、公式サイト側のリンクとちゃんと合っているかを確認してから使うようにしていました。

そして、怪しいなと感じる動画は使わない。 これが1つ目の確認ポイントです。

▶ 動画では2:46〜で詳しく解説しています

▼違法アップロード動画とYouTube側の著作権対策

教育現場でのリスク回避策は?:違法アップロードされたYouTube動画とGoogleの著作権対策
YouTube動画の違法アップロードに関するリスクと、教育現場での適切な対応策を解説。Googleの著作権対策を踏まえ、授業での安全な動画利用法を具体的に紹介します。法的トラブルを避けるためのポイントを押さえましょう。

 

 

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ポイント2:公式の動画なら保存してよいのですか?(利用規約と著作権法)

公式の動画であっても、YouTubeの利用規約は、特別なダウンロードボタンなどがある場合を除いて、動画のダウンロードを原則として禁止しています。 公式だから自由に保存してよいわけではない、という点に注意が必要です。

大切なのは、著作権法で認められていることと、サービスが定めている利用規約のルールは、まったくの別物だということです。法律上は問題がないように見えても、利用規約に反してしまう可能性があります。トラブルを防ぐためには、この両方を守るという視点が欠かせません。

こうした著作権と校務ICTの問題を校内研修で体系的に扱いたい場合は、研修テーマの一覧もご覧ください。

 

なぜYouTubeは無料で動画を見られるのでしょうか

普段は当たり前のように使っていますが、YouTubeはもちろんボランティアで運営されているわけではありません。しっかりとしたビジネスの仕組みの上で成り立っています。

一見タダで見られているように思えるのは、動画の前後に広告が表示されたり、利用データをもとにした仕組みがあったりするからです。動画を直接ダウンロードして保存してしまうと、その広告が表示されず、サービスの仕組みが成り立たなくなってしまいます。だからこそ、YouTube側は規約でダウンロードを禁止しているのです。

理由まで分かっていると、校内で同僚や管理職に説明するときにも話が早くなりますね。

▶ 動画では5:07〜で詳しく解説しています

▼授業中の広告を避けたいときの現実的な方法

授業でYouTubeを見せるのはOK?著作権と広告を避ける方法を解説
授業でYouTube動画を見せるときの著作権上の考え方と、授業中に広告を流さないための具体的な方法を解説します。学校でYouTubeを安心して使うために、先生が押さえておきたいポイントをまとめました。

 

有料サブスクリプションの保存機能はどうですか?

有料のサブスクリプションサービスの保存機能は、規約の範囲内ではありますが、個人の契約となっています。これを学校の授業で共有してよいかどうかは、また別の問題です。契約内容によって規定が異なりますので、確認が必要になります。個人向けに提供されている機能を、授業という場でそのまま使ってよいかという視点でも、契約内容を確認しておくと安心です。

▶ 動画では5:49〜で詳しく解説しています

▼学校でサブスクを利用するときに注意したいこと

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ポイント3:授業でYouTubeを安全に使うにはどうすればよいですか?

授業で安全にYouTubeの動画を活用するためには、動画ファイル自体をパソコンに保存するのではなく、リンクや埋め込み機能を活用する方法がおすすめです。 この方法であれば、規約に触れることなく、安全に授業に取り入れることができます。

なお、授業中に動画をその場で再生して見せる行為は、著作権法では第35条が認める「公の伝達」(公衆送信されている著作物を、受信装置を用いて見せること)として整理できると考えられます。この点は授業でYouTube動画を見せるときの基本的な考え方で詳しく解説しています。

YouTube動画を授業で見せていい?著作権の基本を解説
「YouTubeを授業で見せていいの?」という先生からのよくある質問に答えます。対面授業でのその場再生から、ダウンロード・オンライン配信まで、著作権法第35条・第38条・SARTRAS補償金制度の観点から整理します。

 

以下は、YouTubeの利用規約の面から見た使い分けです(動画の内容そのものの扱いは、別途第35条の要件で考えます)。

場面避けたい方法おすすめの方法
Google Classroomで共有する動画をダウンロードして、ファイル自体をアップロードするYouTubeのURLを共有する/動画を埋め込んで再生させる
Googleスライド・PowerPointで資料を作る動画のファイルを直接貼り付ける「YouTubeを検索して挿入」の機能を使う
1人1台端末で児童生徒が視聴するファイルをダウンロードさせるGoogle ClassroomなどでURLを送り、児童生徒自身にアクセスさせる

Google Classroomで動画のURLを共有したり、動画を埋め込んで再生させたりすると、子どもたちはYouTube上でストリーミング再生することになり、YouTube側の利用規約にも反しません。スライド資料の場合も、「YouTubeを検索して挿入」の機能を使えばリンク再生の形になり、スライド上で安全に再生ができます。

ポイントは、子どもたち自身に再生させる形をつくることです。通信環境を整えたうえでリンクを上手に活用するのが、一番安全な方法といえるでしょう。

▶ 動画では6:18〜で詳しく解説しています

 

 

まとめ:確認したい3つのこと

  1. その動画は公式チャンネルのものか(確認済みマーク・音符マーク・概要欄・公式サイトのリンクで確認する)
  2. 著作権法と利用規約は別のルール(公式動画でも、原則としてダウンロードは規約で禁止されている)
  3. 保存ではなく、リンク共有・埋め込みで使う(Classroom・スライド・1人1台端末のいずれもこの形にできる)

YouTubeが教材の宝庫であることは間違いありません。ダウンロード保存ではなく、リンク共有や埋め込みの機能を上手に使って、安全に、正しく授業で活用してみてください。

 

 

よくある質問(FAQ)

Q. 通信が不安定な教室でも、ダウンロードしてはいけませんか?
A. 公式の動画であっても、YouTubeの利用規約は特別なダウンロードボタン等がある場合を除いてダウンロードを原則として禁止しているため、規約に反する可能性があります。通信環境を整えたうえで、リンクや埋め込みでのストリーミング再生を基本に考えるとよいでしょう。

Q. 学校の授業なら、著作権法第35条でダウンロードも認められるのではありませんか?
A. 第35条は一定の条件のもとで授業の過程での利用を認める規定ですが、「著作権者の利益を不当に害しない」という要件があり、違法にアップロードされた動画からの複製は認められにくいと考えられます。また、そもそも第35条は著作権法のルールであり、YouTubeの利用規約とは別のものです。

Q. 違法にアップロードされた動画をダウンロードすると、どうなりますか?
A. 違法にアップロードされたものと知りながら音楽や映像をダウンロードする行為は、私的使用の範囲であっても著作権法第30条の例外から外されています(第30条第1項第3号)。授業のための複製は第35条で考えることになりますが、いずれにしても、出所の怪しい動画は使わないという判断が安心です。

Q. 有料プランのオフライン保存機能を、授業で使ってもよいですか?
A. 保存機能自体は規約の範囲内ですが、個人の契約に基づくものです。学校の授業で共有してよいかは契約内容によって規定が異なりますので、ご自身の契約内容を確認してください。


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この記事は、動画「YouTubeのダウンロードは違法?授業で使う前の3つの確認」をもとに作成しました。

 

 

 

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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