SNSアイコンや学校作品で悪気なく子どもがやりがちな著作権違反と対策【保護者・教員向け】

子供が陥りがちな著作権トラブル 児童生徒・保護者向け(授業作り・指導案)
児童生徒・保護者向け(授業作り・指導案)
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SNSのアイコンや学校で作る作品、スライドに使うBGM——子どもたちはそこに著作権のルールがあるとは気づかないまま、毎日のように扱っています。

著作権には「学校の中ではOKでも、外に出るとNGになる」という特徴があります。先生がやっていることを見本にして外でも同じようにしてしまう、そういった場面が生まれやすいのも、学校という場の難しさです。

この記事では、子どもが悪気なくやってしまいがちな著作権違反を3つ取り上げ、なぜNGなのか・どうすればよいかを保護者・教員の方に向けて解説します。

学校の外では、学校の中と同じ著作権のルールは適用されません。「先生がやっていたから」「学校でもやっていたから」という理由は通用しない場面があります。著作権アドバイザーとして学校研修に関わるなかで、「気づかないうちに違反していた」という例に多く接してきました。この記事の3つのポイントを、子どもと一緒に確認してみてください。

 

 

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SNSのアイコンにキャラクターを使ってはいけない理由

アイコンは「公開状態」にある

TwitterやLINEなどのSNSアイコンに、好きなキャラクターや有名人の写真、企業のロゴを使う——これは著作権上の問題が生じる可能性があります。

重要なのは、「好きなものを持つこと」と「公に表示すること」の違いです。キーホルダーやスクラップブックに好きなキャラクターを使うことは、見る人が限られているため私的な範囲に収まります。しかしアイコンは、SNS上で不特定多数の人が見られる状態になります。

著作物を複製・公衆送信する場合は、原則として著作権者の許諾が必要です。SNSのアイコンへの利用は複製にとどまらず公衆送信も行っており、私的使用の範囲には当たらないと考えられます(CRIC「ケーススタディ著作権」2025年版)。

 

アイコン利用が問題になった場合

実際に、アイコンとして著作物を使用したことで著作権者から警告が出されるケースや、法的手続きに発展した事例も報告されています。

 

解決策:著作権フリー素材か自作を

安全なのは、次のいずれかです。

  • 著作権フリーであり、SNSアイコンへの利用が明示されている素材を使う(利用条件を必ず確認する)
  • 自分で描いたイラストや自分が撮影した写真を使う

自分が撮影した写真であれば、著作権は撮った人(自分)にありますので使用できます。ただし、ポイントは「撮られた側の肖像権」です。芸能人に限らず、一般の人にも肖像権があります。写った人が利用を認めていない写真は、たとえ自分が撮ったものであっても公開には注意が必要です。

子どものアイコンにキャラクターや他者の写真が使われていたら、「なぜいけないのか」を一緒に考える機会にしてみてください。

▼SNSアイコンの著作権ルールに関する記事

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学校の作品にキャラクターを使う——授業内と授業外の違い

授業の中ではOK、外に出るとNGになる

図画工作・美術・技術・家庭科の作品、パワーポイントの資料、文化祭のTシャツや看板——これらにキャラクターを描くこと自体は、授業の中での利用であれば著作権法第35条の対象となり、許諾なしで行える場合があります。

しかし、授業の外に出た瞬間に話が変わります。

利用場面著作権の扱い
授業内での作品制作・提示著作権法第35条の範囲内で可能な場合がある
校内掲示(授業の一環として)著作権法第35条の範囲内で可能な場合がある
コンクールへの出品授業外のため許諾が必要
文化祭のTシャツ・パンフレットへの使用授業の一環であれば可能な場合があるが、外部公開は要確認
ホームページ・広報誌への掲載不特定多数が見られる状態になるため許諾が必要
SNSへの投稿許諾が必要

 

なぜ「作ったあと」のことを考える必要があるのか

作る段階では問題がなくても、その後どこに出るかによって判断が変わります。文化祭でキャラクターを描いたTシャツを着て行事に参加することと、そのTシャツをホームページやSNSに掲載することは、著作権の観点では別の話です。

ポイントは、作品を作るときから「どこに出るか」を想定しておくことです。許可なく外部に出す可能性があるなら、はじめからキャラクターを使わない選択が、後のトラブルを防ぐ確実な方法です。

授業の中では使ってよいですが、外に出ていくとき何が起きるかを、子どもたちと一緒に考えてみてください。

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スライドや動画作品のBGMに好きな曲を使う

授業内であれば一定の範囲で使用できる

学校でスライドショーや映像作品を作る際、人気のBGMを使いたいという気持ちはよく分かります。授業の過程での利用であり、必要と認められる限度内であれば、著作権法第35条により許諾なしで使用できる場合があります。

ただし、著作権法第35条が適用されるには複数の要件があります。

  1. 学校その他の教育機関(営利目的でないこと)
  2. 教育を担任する者または授業を受ける者が行うこと
  3. 授業の過程における利用であること
  4. 必要と認められる限度であること
  5. 著作権者の利益を不当に害しないこと

これらの要件を一つでも欠くと、第35条は適用されません。

 

外部への公開・YouTubeへのアップロードは別の話

授業の中でBGMを流すことと、その映像をYouTubeにアップロードしたり、学校のホームページで公開したりすることは、著作権の観点では別に判断する必要があります。

音楽を使った映像をインターネット配信する場合でも、第35条の対象となるのは、あくまで「授業の過程」における利用です。学校・自治体がSARTRAS(授業目的公衆送信補償金等管理協会)に補償金を納付している場合でも、授業目的の範囲を超えて、一般公開のYouTubeや学校ホームページで公開できるとは限りません。第35条の要件に合致しない場合は、原則として権利者の許諾が必要です。

 

YouTubeから取ってくる場合の注意

YouTube上の曲を使用する場合も、上記の第35条の要件を確認する必要があります。「YouTubeにある曲だから自由に使える」ということにはなりません。また、YouTubeから音源をダウンロードして利用することは、利用規約や違法アップロード音源の問題が生じる場合があります。

 

安全な音楽の使い方

  • 著作権フリーの音楽を使う:利用条件を確認したうえで選ぶ
  • 楽曲を購入する:購入しただけで、映像への組込みやインターネット公開まで自由にできるわけではありません。授業目的での公衆送信を伴う場合は、著作権と著作隣接権の両方について確認が必要です。学校・自治体がSARTRASへ補償金を納付している場合、一定の条件のもとで授業目的公衆送信が可能になります
  • 違法ダウンロードは論外:無料で手に入れた音楽ファイルが違法なものであれば、それ自体が問題になります

 

▼学校の授業に関する著作権(著作権法35条)に関する記事

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ここで挙げたような場面は、教員から伝えるだけでなく、外部の講師から子どもに直接話すことで受け止め方が変わることもあります。児童生徒向けの出前授業では、SNSのアイコン・作品づくり・行事での利用といった身近な場面を扱っています。
児童生徒向け著作権出前授業のご案内

 

 

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よくある質問

Q. 授業でキャラクターを使った作品を、コンクールに出してもいいですか?
A. 著作権法第35条は「授業の過程」での利用を認めていますが、外部のコンクールへの出品は授業の範囲を超えると考えられます。著作権者の許諾を得るか、キャラクターを使わない形で出品するのが安全です。

Q. 「著作権フリー」と書いてあれば、SNSのアイコンに使えますか?
A. 「著作権フリー」は定義が曖昧で、利用条件はサービスによって異なります。「SNSアイコンへの利用を許可する」と明示されているかどうかを、必ず各素材のライセンス条件で確認してください。

Q. 子どもが著作権違反をしていたら、どう伝えればよいですか?
A. 頭ごなしに「ダメ」と言うよりも、「なぜいけないのか」「こうすればよかった」という順で話すと、子どもたちの理解につながります。違反を見つけた場面を、著作権を一緒に学ぶ機会として活用してみてください。

Q. 文化祭のTシャツにキャラクターを描くのは全面NGですか?
A. 授業の一環として制作・使用する範囲では著作権法第35条の対象となる場合があります。ただし、ホームページやSNSに掲載するなど不特定多数が見られる状態にする場合は、著作権者への許諾が必要と考えられます。作るときから「どこまで公開するか」を意識しておくことが大切です。


この記事のテーマについて、学校での研修や児童生徒向け出前授業も承っています。 SNSと著作権・学校行事と著作権など、現場に即したテーマでお届けします。

▶ 研修テーマ一覧・お問い合わせはこちら → https://maruc.work/copyright-training-themes


参考資料

  • 著作権法(最終改正:令和5年)
  • 改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)/著作物の教育利用に関する関係者フォーラム
  • 改正著作権法第35条運用指針(令和3(2021)年度版)特別活動追補版(2021年11月9日)
  • CRIC「ケーススタディ著作権〔第3集〕」(2025年版)

この記事は、動画「子どもがやりがちな著作権違反【SNSアイコン・学校作品・音楽】」をもとに作成しました。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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