校長先生向け 生成AIと著作権研修|北海道・苫小牧市小学校長会【研修事例】

教職員向け著作権研修の事例紹介
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2026年9月7日、苫小牧市小学校長会の研修会にお招きいただき、「生成AIと著作権」をテーマに講話をさせていただきました。会場は苫小牧市内、参加者は市内の校長先生方を中心とした約30名です。管理職の先生方が、学校だよりや校務での生成AI活用を「自分ごと」として考える、とても熱量の高い90分になりました。

 

 

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著作権研修の講師を承っています
本記事の内容を含め、学校現場に合わせた著作権研修を行っています。
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苫小牧市・校長先生向け研修の全体像

今回の受講者は、学校の判断を最終的に引き受ける立場にある校長先生方です。研修は対面で行い、AhaSlides(スマートフォンから匿名で回答できるアンケートツール)を使って、一方的に話すのではなく対話しながら進めました。

アイスブレイクは「苫小牧のおいしい場所は?」。マルトマ食堂が何度も挙がり、味の大王(カレーラーメン)、日本橋、ノビータ、喜多蔵と、地元ならではのお店が次々に並んで、会場の空気が一気にほぐれました。

続いて「著作権」からイメージする言葉を聞くと、最も大きく表示されたのは「イラスト」と「音楽」でした。ほかにも「学校だよりのイラスト」「発表会でのキャラクター」「新聞」「難しい」といった言葉が並びます。授業そのものより、学校からの発信物や行事で迷う場面が多い。これは、学校全体の発信に責任を持つ校長先生ならではの悩みなのでしょう。

実際、「著作権で困ったり悩んだりしたことはありますか?」という問いには、回答した23名のうち20名が「ある」と答えています。

 

 

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研修の具体的な内容(主なトピック)

主催者アンケートで「役に立った」と挙げていただいたトピックを中心に紹介します。いずれも要点のみとし、詳しい解説は各記事でご確認ください。

  • 最近の著作権に関わるニュースと著作権を知るべき理由:子どもが関わった事件や生成AIをめぐる話題から、なぜ今、学校で著作権を学ぶ必要があるのかを確認しました。
  • 著作権の基礎:知的財産権の一つであること、他人の作品を使うには原則として許諾が必要であることを押さえました。
  • 著作権の制限(学校の授業での例外):著作権法第35条(授業の過程での利用を一定の条件のもとで認める規定)と、授業目的公衆送信補償金制度・SARTRAS(授業でのネット送信について、学校の設置者が補償金を支払うことで個別の許諾を不要にする仕組みの管理団体)を紹介しました。学校だよりや学校ホームページなど、授業の過程とはいえない場面では別の確認が必要になる点もあわせてお伝えしました。
  • 学習指導要領・教員採用試験・教科書:いまの子どもたちや若い先生方が著作権をどのように学んできているのかを紹介しました。
  • 生成AIと著作権:生成AIの使いどころと生成したものを公開するときの注意点を取り上げました。生成AIと著作権の関係は現在も整理が続いている論点です。そのため、文化庁が示す最新の考え方を確認しながら判断することをお勧めしました。
  • 今日から、自分から、できることから:利用規約を読む、出典を記す、迷ったら確認するなど、明日から校内でできる小さな一歩を提案しました。

▼著作権について知っておきたい基礎

著作権とは?学校教育になぜ関係するのかをやさしく解説【超基礎解説①】
著作権とは何か、なぜ学校教育に関係するのかを、学校著作権ナビゲーターが現場目線で解説します。教材づくりで感じる「使っていいのか不安」を解消する超基礎シリーズの1本目です。
著作権法第35条の3つの条件とは|学校の授業でコピー・配信はどこまでOK?【超基礎解説②】
著作権法第35条は、授業のためなら一定の条件で著作物をコピー・配信できる特別ルールです。守るべき3つの条件と、オンライン授業を支える補償金制度(サートラス)まで、著作権をわかりやすく解説する超基礎シリーズの2本目です。
学校行事のBGM・おたよりの著作権|第35条と38条の使い分け【超基礎解説③】
運動会のBGMや学級だより、ホームページ公開は著作権法第35条の対象外になる場合があります。学校行事・おたより・ネット公開で気をつけたい著作権のポイントと、迷ったときの相談先を学校著作権ナビゲーターがやさしく解説する超基礎シリーズの3本目です。

キーワードについてのアンケート調査では、「海賊版」や「著作権」はよく知られている一方、「著作権法第35条」や「SARTRAS」はほとんど知られていませんでした。生成AIでも「ChatGPT」に比べ、「ハルシネーション(生成AIがもっともらしい誤りを出力すること)」は知られていません。言葉は知っていても、学校で判断するための仕組みまではまだ届いていない。この差を埋めることを今回の研修の軸にしました。

▼SARTRASとは?

SARTRAS(サートラス)とは?授業目的公衆送信補償金制度をわかりやすく解説
SARTRAS(サートラス)とは、授業目的公衆送信補償金等管理協会のことです。オンライン授業や資料のメール送信がなぜ許諾なしでできるのか、補償金は誰がいくら払うのか、自校が申請済みかを確認する方法まで、学校の先生向けにわかりやすく解説します。

 

 

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研修のポイント:生成AIと著作権を「正しく恐れ、正しく使う」

生成AIの使い方を尋ねると、「文章作成」「校正」「要約」「調べ物」といった回答が多く、「校長だより」「アプリ開発」「考えの整理」に使っているという先生もいらっしゃいました。その一方で、「使っていない」「あまり使わない」という回答もあります。

大切なのは、いたずらに恐れて遠ざけることでも、よく分からないまま使うことでもありません。仕組みとリスクを知ったうえで、正しく恐れ正しく使うことなのです。学校著作権ナビゲーターとして各地の研修に伺うなかで、管理職の先生方が一歩を踏み出すと学校全体の空気が変わる場面を何度も見てきました。だからこそ今回は「今日から、自分から、できることから」という言葉で締めくくりました。

 

 

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苫小牧市小学校長会の先生方の声

研修主催者の声

依頼の決め手について、主催者の方からは「研修担当が決めました。素晴らしい選択だったと感じております」「優れたプレゼン力、ICT活用力」を挙げていただいています。
印象に残ったこととして、次のような声をいただきました。

著作権について、古い世代は適当に考えている人が多いが若い世代にとっては守るべき権利ということが常識になっていること。(学生時代に教育されていることに驚きました。)

ほかにも「生成AIの活用について」が印象に残ったという回答があり、この内容を小・中・高校生、大学・大学院生、教員、管理職に勧めたいとのお声もいただきました。大変ありがたく思います。

 

研修参加者の声(抜粋)

面白く聞かせていただきました。知らない世界を知ることができ、とても有意義な講演でした。簡単そうで難しい、難しそうで簡単、というように感じました。現場の先生方と共有したいと思います。

生成AIを使ったことがないほど、この分野については、トンチンカンでしたが、講話を聞いてリスクとメリットが少しわかってきた気がします。まずは、使ってみるところから始めます。(中略)職員にも研修の場などを活用して考えさせていきたいと思います。

何度聞いても、その度に新しい気づきがあり、新鮮で心動かされるお話でした。あっという間の90分だったと唸っていた校長先生も多かったです。

著作権については、難しいという先入観があって、自分で細かく調べることもせずに、人から聞いた情報だけで、なんとなく気をつけながら生きてきました。今日はとても分かりやすく説明いただいたので、著作権について学ぶことができました。

今まで利用規約を読むことがほとんどなかったので、今度から気にします。

本日はありがとうございました。1時間半があんなに短く感じた研修は初めてでした。本当です。早速帰宅してすぐ、チャッピーに話しかけて遊んでみました。

「すごい時代になった」という期待とともに、「生成AIの普及で人間は退化していかないか」「賠償責任を問われることがあると知り、不安になった」という率直な声も寄せられました。不安を感じるのは、真剣に向き合っている証拠でもあるのでしょう。

質疑では、Canvaのテンプレートを使った場合の扱いや、新聞記事の切り抜きを校内に掲示する場合の考え方など、校長先生ならではの具体的な質問もいただきました。

 

 

おわりに

苫小牧市小学校長会の皆さま、このたびは貴重な機会をいただきありがとうございました。受講された先生方から「現場の先生方と共有したい」「職員にも考えさせていきたい」という言葉をいただけたことをとてもうれしく思います。

生成AIも著作権も、校長先生が一人で抱え込むものではありません。今回の研修が各校で先生方と一緒に考えるきっかけになれば幸いです。

 

 

研修のご依頼について

校長会・教頭会など管理職向けの研修はもちろん、教職員向けの校内研修や児童生徒向けの出前授業もお受けしています。生成AIと著作権のように、いま現場で迷いやすいテーマにも対応しますのでお気軽にご相談いただけるとうれしいです。

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本記事の内容を含め、学校現場での著作権対応を体系的にお伝えする研修を行っています。
教育委員会・学校単位・研究会単位でのご依頼も受け付けています。これまでの研修例については、先生向け研修・生徒向け授業・司書向け研修をご覧ください。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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