著作権とは?学校教育になぜ関係するのかをやさしく解説【超基礎解説①】

著作権の基礎(用語・考え方)
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著作権という言葉を聞くと、「なんだか難しくて怖い」と感じる先生は少なくありません。教材でイラストを使いたいとき、新聞のコラムをコピーして配りたいとき、「これは勝手に使ってもいいのだろうか」と手が止まった経験がある方も多いのではないでしょうか。

この記事では、著作権とは何か、そしてなぜ学校教育に関係するのかを、著作権の目的・著作物の定義・学校の特例という3つの視点から解説します。

 

この記事は、学校の著作権の超基礎を解説する記事シリーズ(計3本)の1本目です。

 

著作権とは、作った人の作品を守り、文化を豊かに発展させるための仕組みです。作品がタダで無制限にコピーされてしまうと、作った人が生活できなくなり、次の作品を生み出せなくなってしまいます。

学校著作権ナビゲーターとして研修先でよくお伝えしているのは、著作権のルールは「使わせないための壁」ではなく、「作り手を応援して、良い作品が生まれ続ける環境を守るための仕組み」だという考え方です。

 

 

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著作権はなぜ学校教育に関係するのですか?

重要なのは、著作権が「作った人への感謝と敬意」を形にする制度だという点です。

イラストレーターが1枚の絵を仕上げるまでには、何年もの練習と膨大な時間がかかります。それを無断でコピーして配ってしまうと、作者は次の作品を作るための収入を得られなくなり、創作活動そのものを続けられなくなるかもしれません。素敵な本や心が踊る音楽、ためになる教科書が生まれなくなることは、子どもたちにとっても大きな損失につながります。

だからこそ、作った人を応援し権利を守ることで、安心して新しい作品を生み出せる環境を整えることが、著作権のもっとも大切な目的なのです。

▶ 動画では2:40〜で詳しく解説しています

 

▼学習指導要領において、小中高の多くの科目で知的財産権(著作権)に関わる内容の記載があります。

【教員のための著作権解説】学習指導要領の中での著作権の扱い
今日は学習指導要領の中にある著作権について、校種・教科をまたいでご紹介します。学習指導要領とは全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするために、文部科学省が学校教育法等に基づいて、各学校で教育課程(カリキュラム)...

 

 

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著作物とは何ですか?

著作物とは、考えや気持ちを工夫して表現したもののことです。ここで大切なのは、世の中のすべての文章や画像が著作権で守られているわけではないという点です。

統計データや歴史的な年号、科学的な事実は、誰が表現しても同じ内容になるため、表現の工夫を入れる余地がなく、著作物にはあたりません。(ただし、データそのものではなく、それを整理したグラフや図表には、表現の工夫が認められて著作物にあたる場合があります。数値や事実そのものと、それを表現した図表とは分けて考えると安全です。)

同じように、『学校の毎日を紹介する動画を作りたい』という頭の中のアイデアも、まだ形として表現されていないため著作物ではありません。なお、学習指導要領のような告示や法令は、著作物にはあたるものの、広く社会に知らせるべきものとして著作権法第13条(権利の目的とならない著作物)により権利の対象外とされており、自由に利用できると考えられます。

一方で、誰かが時間をかけて言葉を選び、色遣いや構図を工夫して表現したイラストやエッセイ、プログラムなどは、実際に表現された瞬間に、登録をしなくても自動的に著作権が発生します。「事実やアイデアそのものか」「工夫して表現されたものか」という視点を持てるようになると、教材に安心して使える情報を見分けやすくなります。

▶ 動画では4:35〜で詳しく解説しています

 

 

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著作物にあたるもの・あたらないもの

あたらないものあたるもの
統計データ、歴史的な年号、科学的な事実(そのもの)誰かが工夫して表現したイラスト・エッセイ・プログラム
頭の中だけのアイデア(形になっていないもの)実際に文章や絵として表現されたもの
データを整理・工夫して表現したグラフや図表(創作性がある場合)

※ 学習指導要領などの告示・法令は、著作物にはあたりますが、著作権法第13条により権利の対象外とされ、自由に利用できると考えられます。

 

 

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学校だから何でも使ってよいわけではありません

学校であっても、大原則は「他人のものは勝手に使えない」ことです。「教育のためだから」「学校だから」という理由だけで、他の人が作ったイラストや参考書を自由にコピーして配り続けてよいわけではありません。それは、作った人のビジネスを妨げることにつながってしまう可能性があります。

しかし、毎回すべての利用について作者に許可を取っていたら、返事が来るまでに何日も何週間もかかり、授業がスムーズに進まなくなってしまいます。

そこで、教育現場には特別な例外が認められています。授業の中で使うためであれば、一定の条件のもとで作者の許可を取らなくても、その場でコピーしたり、配信したりできる仕組みがあるのです(インターネットでの配信については、学校の設置者が補償金を支払う制度が前提になっています。詳しくは次回解説します)。

この特別ルールは著作権法第35条(授業の過程での利用を認める規定)と呼ばれるもので、具体的な条件については、シリーズ2本目の動画・記事で詳しく解説します。

なお、許可なく使える仕組みは学校だけのものではありません。引用(著作権法第32条)のように、条件を満たせば誰でも使える例外もあります。

▶ 動画では7:01〜で詳しく解説しています

▼大人・子供がやりがちな著作権違反について解説しています

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よくある質問

Q. 著作権はなぜ必要なのですか?
A. 作品が無断でコピーされ続けると、作った人が生活できなくなり、新しい作品を生み出せなくなってしまいます。著作権は、作った人を守り文化を豊かに発展させるための仕組みです。

Q. 統計データや年号にも著作権はありますか?
A. データや事実そのものには著作権はないと考えられます。ただし、それを整理・工夫して表現したグラフや図表には著作権が生じる場合があります。

Q. 学校の授業なら著作物を自由に使ってよいのですか?
A. 学校だからといって無条件に使えるわけではありません。ただし授業での利用については、著作権法第35条により、一定の条件のもとで許可なく使える特例が認められています。


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参考:本記事は著作権法(最終改正 令和5年法律第33号)、文化庁『著作権テキスト』(令和6年度版)、原口直「著作権超基礎①」動画(YouTube)をもとに構成しています。著作権法第35条の詳細は、次回記事・動画で解説予定です。

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この記事を書いた人
原口直

学校著作権ナビゲーター

東京学芸大学卒業後、大手芸能プロダクショングループ勤務を経て音楽科教諭に。東京都公立中学校および東京学芸大学附属世田谷中学校で勤務。元・東京学芸大学こども未来研究所 教育支援フェロー。

2020年より、学校現場での経験を活かし、机上の法律と教育現場をつなぐ「学校著作権ナビゲーター」として活動を開始。教員・教育実習生・子どもたちに向けて、著作権への理解を深める講演・情報発信・執筆活動を行っている。

音楽文化事業に関する有識者委員会委員(JASRAC)/共通目的事業委員会専門委員(SARTRAS)/東京学芸大学 附属学校図書館運営専門委員会 著作権アドバイザー(2025年〜)

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